[出典] Correspondence: "The 160K Natural Organism Library, a unique resource for natural products research" Ng SB, Kanagasundaram Y[…] Eisenhaber F. Nat Biotechnol 2018 Jul 6
  • 天然生物ライブラリー(Natural organism libraries:NOLs)はルネサンスを迎えている。製薬、化学、食品、栄養、健康、衛生、あるいは農業など広範なセクターが、医薬品有効成分、着色剤、または顔料、酵素、殺菌剤、不活性または生理活性物質、食品と飼料添加物、廃棄物からの農薬などのグリーン製品の原材料として、再注目している。実用的なオミクス技術、洗練されたバイオインフォマティクスならびに遺伝子発現法の進歩によって、天然生物ライブラリー解析の促進と二次代謝産物の低収量の課題解決に繋がる生体分子機構に基づいた大規模研究が可能になった。
  • Bioinformatics Institute Singapore (BII: Nature Index)のNOLは、周辺環境の探索と多様な国際協力の元に戦略的に試料を20年以上にわたって収集し、規模と分類群の広がり、利用者への開放およびスクリーニングにおいて世界有数のライブラリー*になった。
  • *) NOLの比較表:植物、海洋無脊椎動物、微生物、粗抽出液/断片、化合物、DNAサンプルごとの規模;17機関(BIIの他に、米国7、オーストラリア・スペイン・ドイツ各2、イタリー・ボルネオ・ロシア各1、なお、日本機関は0) 
  • BIIは、シンガポールのA*STAR (シンガポール科学技術研究庁)から委託されてシンガポールのMerLion PharmaceuticalsのNOLを獲得したことから始まり、現在では~160,000株/試料、>340K有機抽出物 (76,000種類についてはフィンガープリントデータ有り)、~2,600天然物由来化合物を維持している。
  • BIIは、BIIのパートナーと共に、生物学的スクリーニング(ハイスループット・バイオアッセイ)、化学的スクリーニング(ultra-performance liquid chromatography mass spectrometry: UPLC-MS)、遺伝学的スクリーニング(シーケンシング、ケミカルゲノミクス)およびin silicoスクリーニング(バーチャル・スクリーニング、生合成クラスターの推定など)の4種類のスクリーニングを可能にする天然物探索プラットフォーム (natural product discovery platform: NPDP)と人材を備えている。
  • これまでにパートナーとの共同研究から、菌類のEmericella aurantiobrunnea由来 CCR5阻害剤 (variecolin; variecolol)、海洋放線菌由来抗生物質アントラシマイシン(Anthracimycin)の新規アナログ3種類など、新奇化合物が発見されている。