1. [Correspondence] Anti-CRISPR (Acr)タンパク質登録・共有データサイト公開
[出典] "A Unified Resource for Tracking Anti-CRISPR Names" Bondy-Denomy J, Davidson AR, Doudna JA, Fineran PC, Maxwell KL, Moineau S, Peng X, Sontheimer EC, Wiedenheft B. The CRISPR Journal. 2018 Oct 23.
  • 著者らのグループは2015年Nature、2016年Cellと、Acrの命名法を提案し、その後の論文はそれに沿った命名がされてきたが、Acrの発見が加速していることから (例えば、2017-06-12 CRISPRオフスイッチ:CRISPR vs 抗-CRISPR参照)、同時進行する研究の過程での名称重複を防ぐために、Google documentのスプレッドシートとして、抗-CRISPRタンパク質登録・参照データベース"Anti-CRISPR Name Registry"を構築し、公開した。
  • 命名規則は、それが阻害するCRISPR-Casのタイプと発見順からなるシンプルなもので、例えば、初めて発見されたタイプF-1を阻害する抗-CRISPRタンパク質はAcrIF1となる。スプレッドシートの項目は、Acr名、阻害するCRISPR-Casの対応、由来生物種、ファージなど遺伝子要素の種類、参考文献 (筆頭著者、年、ジャーナル)および配列データ
2. 温泉由来のCandidate Phyla Radiation (CPR)に属するRoizmanbacteriaは、CasYシステムに加えてタイプI-BとIII-Aも帯びている
[出典] "Candidate Phyla Radiation Roizmanbacteria from hot springs have novel, unexpectedly abundant, and potentially alternatively functioning CRISPR-Cas systems" Chen LX, Al-Shayeb B, Meheust R, Li WJ, Doudna JA, Banfield JF. bioRxiv. 2018 Oct 22.
  • メタゲノミクスから定義されたCandidate Phyla Radiation (CPR)は、ファージに対する防衛CRISPR-Casシステムをコードすることが稀な大量のバクテリアの集合であり、そのファージ耐性の機構と、それらに感染するファージの実態は謎であった。また、著者らが先行研究でCPRから発見したCasY (標準化名 Cas12d)の配列もその後ほとんど報告されておらず、CasYの自然環境での機能も活性も不明である。
  • 研究チームは今回、温泉マイクロバイオームのメタゲノミクスにより、Roizmanbacteriaにおいて既報告のCasYとは異なる配列に由来するCasYタンパク質を発見した。また、Roizmanbacteriaゲノムが大型のタイプI-BそしてまたはIII-A システムを帯びていた。さらに、これらのCRISPRシステムが標的とするファージも、Microgenomates superphylumに対するファージとして、同定した。
  • 関連crisp_bio記事:CRISPR関連文献メモ_2016/12/27 1. 未だ分離培養されていない環境微生物からCas9に加えて新規Cas、CRISPR-CasXとCRISPR-CasY、を発見
3. [レビュ−]CRISPR-Casシステムの分類と命名法
[出典] "Classification and Nomenclature of CRISPR-Cas Systems: Where from Here?" Makarova KS, Wolf YI, Koonin EV. The CRISPR Journal. 2018 Oct 17.
  • CRISPR-Casシステムの進化系統分析と分類を精力的に進めてきたNCBIのMakarovaとKooninらによるレビュー;複雑で、モジュールの頻繁なシャフリング発生など進化が速く、また、進化系統分類に適切なユニバーサルなマーカが存在しないCRISPR-Casシステムの多面的分類と命名
4. 広範な植物種を対象として、Cas9遺伝子を帯びていない目的とする変異体を効率的に分離することを可能にするCRISPR/Cas9ベクターを開発
[出典] "Development and Validation of an Effective CRISPR/Cas9 Vector for Efficiently Isolating Positive Transformants and Transgene-Free Mutants in a Wide Range of Plant Species" Tang T, Yu X [..] Dai C. Front Plant Sci. 2018 Oct 23.
  • CRISPR/Cas9ベクターpKSE401を利用したセイヨウアブラナ (Brassica napus)遺伝子編集実験では、Cas9を帯びていない変異体同定が極めて非効率的であった。今回、pKSE401に恒常的な35Sプロモータでドライブする蛍光タグ (sGFP)を導入することで目視スクリーンを可能にするpKSE401Gを開発し、表題を、セイヨウアブラナ 、シロイヌナズナ、エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)、ダイズ (Glycine max)で実現した。

5. RNPでCRISPR-Cas9-sgRNAを送達することで、Brassica属の3種類の植物の外来DNAフリーの効率的ゲノム編集を実現
[出典] "DNA-Free Genome Editing of Brassica oleracea and B. rapa Protoplasts using CRISPR-Cas9 Ribonucleoprotein Complexes" Murovec J, Guček K,  Bohanec B, Avbelj M,  Jerala R. Front Plant Sci. Accepted 2018 Oct 15.
  • Brassica 3種(B. oleracea, B. napus およびB. rapa;キャベツ、セイヨウアブラナ、ハクサイ)において、プロトプラストにCRISPR-Cas9-sgRNAをRNPで送達し、表題を実現。