[出典] "Proximity-CLIP provides a snapshot of protein-occupied RNA elements in subcellular compartments" Benhalevy D, Anastasakis DG, Hafner M. Nat Methods. 2018-11-26.
  • RNAの細胞内小器官局在を解析する手法として、APEX-RIP (RNA immunoprecipitation)やRaPIDなどが開発されてきたが、網羅的な解析はまだ困難である。例えば、APEX-RIPで採用された化学的架橋は、RNA抽出過程での偏り発生やタンパク質から比較的遠い位置に存在するRNAを架橋するリスクを、RNA分子をビオチンリガーゼ (BirA)で標識しRNAに結合するタンパク質をビオチン化・プルダウンするRaPIDは比較的長いRNAへの偏りが生ずるリスクを、それぞれ伴っている。
  • 米国National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseaseの研究チームは今回、RNA結合タンパク質 (RBPs)ひいてはRNAの細胞内局在を網羅的に解析する手法、Proximity-CLIP (UV crosslinking and immunoprecipitation)、を開発した。
  • Proximity-CLIP手法 (原論文 Fig. 1):(1) APEX2に細胞内局在化因子 (localization element, LE)を融合し、細胞内RNAを4-チオウリジン (4-SU)で標識; (2) ビオチンフェノール (BP)液体培地で30分培養後に過酸化水素を加え、APEX2からのビオチン-フェノキシルラジカル (BPラジカル)生成、続いて、紫外線照射によりタンパク質とRNAを架橋; (3) BPラジカルは、近接タンパク質と共有結合するか消失; (4) 細胞区画に特異的なRNPsとタンパク質をストレプトアビジン・アフィニティー精製; (5) 溶出液を3分割し、それぞれ、細胞区画内プロテオームのMS解析、RNaseフットプリント解析およびRNA-seqを施す
  • Proximity-CLIPにより‘RBPome’実現:局所的トランスクリプトームの定量;RBPが結合したRNA領域 (シスエレメントとRNA代謝部位を含む)の同定
  • HEK293細胞の核、細胞質および細胞間界面を対象とする実証実験:数キロベースにおよぶ転写リードスルーを同定;核内と細胞質でのRBP占有パターンの差異を同定;細胞間界面に局在するmRNAsの多くが調節因子をコードし3'UTR領域にタンパク質に占有されるCUG配列を帯びていることを同定
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