(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160416)
  • Corresponding authors: Alexis Vandenbon坂口志文(大阪大学)
  • 高品質かつ細胞型特異的解析を可能にしたデータベース:ArrayExpressから公開されている261件の研究(バッチ)に由来するマウス造血系細胞24種類を対象とする3,434マイクロアレーサンプルのデータを対象として、バッチ効果をComBat法(Bioconductorプロジェクト版)によって補正することで、データが由来する細胞型を意識し、かつ、研究グループの実験プラットフォーム・実験条件・解析手法などに依存する偏りを排除した普遍性の高い解析結果を得ることを可能にした。
  • データ検索・解析法:特定遺伝子の発現プロファイルの解析;guilt-by-association解析;correlation gene set enrichment解析 (correlation GSEA);Immuno-Navigator独自の統合的解析 Correlation network hub prediction(CNHP)
  • Immuno-Navigatorを利用して、内在性制御性T細胞(Treg)において、Treg特異的な遺伝子群との遺伝子発現の相関解析から制御因子を予測し、既知の制御因子の同定に成功した。
  • 加えて、予測候補の上位に来たインテグリンβ8(Itgb8)について、Foxp3陽性T細胞における発現と、Treg特異的なエピジェネティック・リモデルリングの間に相関があることの実験検証に成功した。
  • さらに、Treg細胞内のTreg特異的遺伝子発現が、Foxp3 遺伝子発現と比較的独立であることが示唆されたが、これは、Treg発生にFoxp3非依存な機序が存在するという最近の報告に符合している。
  • データベースWebサイト:Immuno-Navigator - A database for gene coexpression in the immune system (http://sysimm.ifrec.osaka-u.ac.jp/immuno-navigator/)