crisp_bio注: 2019-01-11 23:52に記事タイトル一部改訂
[出典] 論文 "CRISPR-Cas9 Circular Permutants as Programmable Scaffolds for Genome Modification" Oakes BL,  Fellmann C [..] Doudna JA, Savage DF. Cell. 2019-01-10;[RESEARCH HIGHLIGHT] CRISPR adapted to respond to infected cells - Engineered tweaks to the popular gene-editing system allow it to fight viral infection. Nat Biotechnol. 2019-01-14.

概要
  • UC BerkeleyとLBLNの研究チームは今回、SpyCas9に人為的に循環置換 (circular permutation, 以下 CP)を誘導することで、不活性化した状態からウイルス由来プロテアーゼで活性化することが可能なCas9変異体, ProCas9, を作出し、ProCas9が病原性の植物ウイルスとヒトウイルスを検知し応答することを示した。
CPとは

CP改変Cas9s (以下、Cas9-CPs)
  • 研究チームは、トランスポゾンを利用して、5-20 aaのペプチド・リンカーをもとに循環置換を加え、活性評価を経てCas9-CPsライブラリーを構築した。
  • CPのホットスポットとしてHelical-II (aa 178–314), RuvC-III (aa 940–1150), およびC末端ドメイン (CTD, aa 1240–1299)が同定されたが、Cas9-CPsにおいて新たなN-/C-末端をCas9のDNA結合部位に隣接して配置可能であることから、Cas9-CPsは、DNA修飾酵素、クロマチン修飾因子、デアミナーゼなどの機能ドメインの融合に最適なスキャフォールドとして利用可能である。
Cas9-CPsからProCas9へ
  • Cas9-CPsのペプチド・リンカーとして、病原性の植物ウイルスやヒトウイルスのプロテアーゼの認識モチーフを帯びた配列を利用することで、プロテアーゼによるペプチド・リンカー切断により活性化するCas9 を作出し、ProCas9と命名した。
  • ProCas9は、E. coliおよびヒト細胞において、植物病原性ポティウイルスやヒト病原性のフラビウイルスのプロテーアーゼを検知し、ペプチド・リンカーで抑制されていた活性を発揮することを確認した。
  • 研究チームは、Cas9を介して細胞死を誘導するsgRNAs (以下、CIDE**-sgRNA)を同定した上で、ProCas9にCIDE-sgRNAを組み込みフラビウイルス由来プロテアーゼをシグナルとして利他的細胞死を誘導可能なことも示した(** CIDEはCRISPR- Cas induced death by editingに由来する略号)。