(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 20160101)
Nature Methods 2016年1月号のRESEARCH HIGHLIGHTSの中で、2015年10月にCell 誌に発表されたAnthony A. Hyman (MPI, Dresden)とMatthias Mann (MPI, Martinsried)らのヒト・インタラクトームに関する論文が取り上げられた.
- GFPで標識したタンパク質1,125種類をベイトとして発現するHeLa細胞株を用意し、既報告のQUBIC (Quantitative BAC-GFP interactomics)法によって、5,400種類のタンパク質の間で統計的に有意な28,500種類のタンパク質間相互作用を特定し、同時に、その化学量論比とタンパク量/コピー数を定量した.
- ベイトとプレイの化学量論比が1:1の少数の安定な複合体(‘強い’相互作用)と、ベイトに対してプレイが準化学量論比の複合体多数を特定した.後者の準化学量論比複合体は‘弱い’一時的なタンパク質間相互作用に対応していた.
- シミュレーションによって、‘強い’相互作用を欠損させた場合よりも、‘弱い’相互作用を欠損させた場合の方が、相互作用ネットワークが急速に崩壊することを見出し、‘弱い’相互作用をネットワークの‘接着剤(glue)’と称した.
コメント