• Corresponding authors:西山 潤安田涼平 (Max Planck Florida Institute for Neuroscience)
  • SLENDR法は、CRISPR-Cas9発現ベクターと相同組換え修復(HDR)用のテンプレートを、マウス子宮内胎児の脳の神経前駆細胞にエレクトロポレーションによって導入する。
  • 成熟した神経細胞にはHDRが存在しない。研究チームは、神経前駆細胞では分裂時にHDRが起こることに着目し、最適な導入時期を絞り込んで、標的タンパク質の遺伝子へのタグを組み込みを実現し、タグ特異的に蛍光免疫染色することでタンパク質の細胞内局在を可視化。また、EGFPを組み込むことで、in vivo でのタンパク質動態の実時間観察も実現。
  • SLENDRは、“Single-cell Labeling of ENDogenous proteins by CRISPR-Cas9-mediated homology-directed Repair”に由来する。
  • CRISPR/Cas9システムの多重性を生かして、複数種のタグ併用による異種タンパク質の同時観察、SLENDR法と非相同末端結合(NHEJ)の組み合わせによる特定遺伝子ノックアウトが及ぼす作用の観察も実現。
  • SLENDR法は、タンパク質の種類、細胞の種類、脳の領域を選ばない。また、疾患遺伝子組み込による脳神経疾患モデル作出への展開を期待できる
  • [情報拠点] EurekAlert!に、研究チームの手になる詳細な和文プレスリリースが掲載されている。