1. [論文] 増殖しているヒト細胞のテロメアにおけるDNA二本鎖切断の相同組換え修復
    • Corresponding author: Yong Zhao (Sun Yat-sen University)
    • テロメアは、DNA配列“T​T​A​G​G​G​/​A​A​T​C​C​C”の反復とシェルタリンと呼ばれるタンパク質群で構成され、染色体末端が染色DNA二本鎖切断(DSBs)と認識されないよう保護する。細胞では、テロメアの染色体末端保護機能と、テロメア領域で起こるDNA修復のバランスが取られているが、テロメア領域におけるDNA修復の機構は詳らかにされてこなかった。
    • 研究チームは今回、CRISPR/Cas9技術によって、テロメア領域とテロメアに隣接するサブテロメア領域にDSBを誘導し、その修復機構を解析した。
      • テロメアにおけるDSBsは、正常細胞と癌細胞を問わずに増殖している細胞においては効率的に修復されたが、ストレス誘導性の複製老化が起きている細胞では修復されなかった。
      • サブテロメア領域におけるDSB修復は、小さな欠失に至るエラーが頻発し、非相同末端結合(NHEJ)が起きていることが示唆された。
      • テロメア領域におけるDSB修復は姉妹染色分体と非姉妹染色分体の間の相同組換え修復(HR)によることが示唆された。
  2. [論文] CRISPR-DO: ゲノムワイドでのCRISPRの設計と最適化ツール
    • Corresponding author: Qi Liu (Tongi U.); Han Xu (Dana-Farber Cancer Inst. and Harvard School of Public Health); X. Shirley Liu (Tongi U./Dana-Farber Cancer Inst. and Harvard School of Public Health)
    • CRISPR/Cas9技術の利用が広がってきたが、その性能は未だsgRNAの品質に依存している。ヒト、マウス、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエおよび線虫のゲノムを対象として、コーディング領域と非翻訳領域の双方を標的とするsgRNAの設計(Design)と最適化(Optimization)するWebアプリケーションCRISPR-DOを開発。
      • CRISPR-DOは、PAM配列を手掛かりにゲノムワイドでスキャンした標的候補配列、sgRNA効率のモデル、オフターゲット作用の指標ならびに標的候補配列のアノテーション(保存性、エクソン/調節因子/SNPsとのオーバーラップ)を統合。
      • WebサイトURL:http://cistrome.org/crispr/
  3. [アプリケーション・ノート] MetaCRAST: アセンブルしていないメタゲノムからCRISPRスペーサーを検出する
    • Corresponding author: Chun Liang​ (Miami University of Ohio)
    • CRISPRスペーサーはウイルスと宿主微生物の相関関係解明に有用な情報をもたらすが、メタゲノムからのCRISPRスペーサー検出は進んでいなかった。研究チームは今回、メタゲノム配列(アッセンブル前)と利用者が選択する直列反復配列とを入力として、メタゲノムにおけるCRISPRスペーサーの検出ツールMetaCRAST (Metagenomic CRISPR Reference-Aided Search Tool)を開発。
    • MetaCRASTは、de novoのCRISPRスペーサー検出プログラムよりも高性能
    • MetaCRAST(Perlプログラム)のダウンロード・サイト:https://github.com/molleraj/MetaCRAST
  4. [論文] CRISPR/Cas9による酵母ゲノムの大規模削除
    • Corresponding author: Liping Zhang (Hebei University)
    • CRISPR/Cas9によりS. cerevisiae ゲノムの30kbを超える領域を削除し、CRISPR/Cas9によるゲノム編集は迅速、高効率、低コストであり、分裂酵母の複数の遺伝子を一度で削除することを目的として開発されたLatour法に優ると見られた。
  5. [論文] ジェミニウイルスを送達手段とするジャガイモのゲノム編集
    • Corresponding author: David S. Douches (Michigan State University)
    • ジャガイモ(Solanum tuberosum L.)のACETOLACTATE SYNTHASE1 (ALS1) 遺伝子を標的とするTALENまたはCRISPR/Cas9と相同組換え修復用テンプレートをジェミニウイルス・レプリコンで送達。テンプレートは、ジャガイモに除草剤耐性を付与する点突然変異をALS1 に導入するように設計。
  6. [展望] Natronobacterium gregoryi Argonaute (NgAgo):CRISPR/Cas9と競合するか?
    • Corresponding author(s): Tong-Chuan He (The University of Chicago Medical Center)
    • Argonauteの特徴を列挙;構造機能のより深い理解が必要なことと、NgAgoに類したタンパク質が他にも存在する可能性を指摘。