(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2015/07/30)
 東大医科研は、北米以外の医療研究機関としては初めてIBMのクラウド型「Watson Genomic Analytics」を導入し、所有しているスーパーコンピュータ「Shirokane3」と連携させて、癌の診断・治療を支援するビッグデータ解析を推進する。 
 7月30日付けのIBMのプレスリリースによると、Watson Genomics Analytics導入にあたり、東大医科研宮野悟教授は「私たちの研究チームは、全ゲノム解析に基づいた個別化医療を探求しており、Watsonは私たちの研究を大幅に進める可能性を提供してくれます。-(中略)- また、医学研究の情報を患者にとって有効である可能性をもった治療法を見出すために活用する上で、Watsonはクラウド基盤に構築された膨大な知識ベースを利用して私たちを支援してくれます。」とコメントしている。 
 医科研がアクセス可能な日本人の健常者と癌患者の遺伝子変異・臨床・背景データと、論文・特許などの膨大な非定型情報から抽出される知識との融合を基盤として、日本人に最適化された高効率・高精度な癌の診断・治療が実現されて行く事が期待される。