(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/08/18)
[注] 今回紹介レビューの#2〜#8は全て、成書Genome Editing (編者はKürşad Türkşen)に掲載されているものです。
  1. [レビュー] 細胞移植への応用
    • Author: Peter J. Cowan (St Vincent’s Hospital/U. Melbourne)
    • 修復した患者の自己幹細胞の移植から、ヒトへの異種移植用のブタ細胞の作出まで、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術の応用をレビュー。また、Cas9の改変によるゲノム編集の特異性向上についても議論。
    • 患者由来幹細胞では725 kbまでの特異的削除が実現し、移植用ブタにおける62か所の内在レトロウイルス遺伝子座の特異的削除も実現。
  2. [レビュー] 標的に誘導可能なヌクレアーゼによるゲノム編集
    • Corresponding author: Stephane Pelletier (St. Jude Children’s Research Hospital)
      • ZFN;TALEN;CRISPR/Cas;標的特異性;ゲノム編集の機構;NHEJに対してHRを亢進するには;HRシステムの送達法;応用
  3. [レビュー] ノンコーディング・ゲノム研究への応用
    • Corresponding author: Lluis Montoliu (National Centre for Biotechnology (CNB-CSIC))
    • ゲノム上のノンコーディング領域の変異が表現型および疾患に影響を与えることが明らかになってきている。ノンコーディングDNAエレメントの仮説検証への利用をレビュー:
      • ノンコーディング調節エレメントの削除;dCas9とエピゲノム修飾因子結合によるエピゲノム編集;ノンコーディングRNA(miRNAs、lincRNAs)を標的とする編集
  4. [レビュー] マウスゲノム操作技術のパラダイムシフト
    • Corresponding authors: Channabasavaiah B. Gurumurthy (University of Nebraska Medical Center); 大塚正人(東海大学)
    • CRSIPR/Cas9技術がマウスゲノム操作技術にもたらしたパラダイムシフトをレビュー
      • 伝統的マウスゲノム改変技術(伝統的トランスジェニックマウス作出技術とその限界:伝統的KO/KI技術とその限界;マイクロインジェクションとその限界)
      • CRISPR/Cas9とマウスのゲノム編集のパラダイムシフト(九つの観点)
      • CRISPR/Cas9の課題(コンディショナルKO モデルの作出;オフターゲット作用;得られた仔のジェノタイピング)
      • 今後予想されるインパクト
  5. [レビュー] マウス受精卵へのノックインの効率を高めるには
    • Corresponding author: 畑田出穂(群馬大学)
    • CRISPR/Cas9が誘導する相同組換修復(HDR)は非効率であるが、マウスのコンディショナルノックアウト、レポーター遺伝子導入および精密な点変異導入に有用である。HDRの効率向上を目指す技術開発研究をレビュー:
      • CRISPR/Cas9;Cas9とgRNAの送達システム;HDR用ドナーテンプレートとするssDNAとdsDNA;NHEJを抑制する低分子の利用;細胞周期との同期;展望
  6. [レビュー] 循環器学におけるゲノム編集の現状
    • Corresponding author: Joseph C. Wu (Stanford University School of Medicine)
    • 循環器疾患の分子機構の観点からのレビュー
      • 循環器疾患ゲノミクス:精密医療;循環器疾患と遺伝変異;ヒト多能性幹細胞とゲノム編集技術を利用した疾患モデリング
      • 遺伝性循環器疾患のモデリング:遺伝性心筋症;遺伝性チャネロパチー;遺伝性弁膜症
      • 遺伝性循環器疾患の個別化医療:ゲノム編集による療法;in vivo ゲノム編集療法の標的;
  7. [レビュー] 糖尿病の細胞療法の進化へ
    • Corresponding authors: Nicole A. J. Krentz; Francis C. Lynn (U. British Columbia)
    • ヒトの多能性幹細胞(hPSCs)からの膵β細胞作出を主題とするレビュー
      • ゲノム編集技術は再生医学に重要である;CRISPR技術開発を辿る;CRISPRアレイの構造;CRISPRの獲得免疫機構;タイプⅡ CRISPR/Casによるゲノム編集;CRISRP/Cas9におけるオフターゲット作用の抑制;CRISPR/Cas9による転写調節;CRISPR/Cas9によるモデル生物ゲノム編集;hPSCsからのβ細胞への分化
  8. [レビュー] CRISPRによる網膜ゲノム編集のケーススタディー:患者特異的な常染色体優性網膜色素変性症
    • Corresponding author: Stephen H. Tsan (Columbia University)
    • 眼の疾患の遺伝子治療の現状をレビュー:
      • 網膜色素変性症とは;遺伝子補充療法;ウイルスによる遺伝子治療(アデノウイルス;アデノ随伴ウイルス;RNAウイルス);遺伝子修正 (correction)と修復 (repair)(リボザイム;アンチセンス;抗アポトーシス);最近の進展(ZFN; TALEN; CRISPR);ケーススタディー(CRISPR/Cas9技術による遺伝子治療ケーススタディー