1. 高精度版CRISPR-Cas9の活性を、tRNAGlnプロセシング・システムを利用して、ブーストする
[出典] "Boosting activity of high-fidelity CRISPR/Cas9 variants using a tRNAGln-processing system in human cells" He X, [..] Gu F. J Biol Chem. 2019-04-22.
  • オフターゲット作用を抑制した高精度版Cas9は往々にして活性が低い。温州医科大学と中国科学院遺伝与発育生物学研究所の研究グループは今回、sgRNAの5'末端への1塩基 (AまたはG)付加が高精度版Cas9の活性に顕著な影響を与え、また、tRNA-sgRNAの融合がCas9の活性を向上させることから、20塩基からなるsgRNAにGと各種tRNAを融合したG-tRNA-N20が高精度版Cas9 (SpCas9-HF1; eSpCas9 ; xCas9)のDNA切断活性に与える効果を、HEK293細胞において分析し、tRNAGln-sgRNAが最も効果的であることを同定し、若年性網膜分離症の原因タンパク質をコードするretinoschisin 1 (RS1) 遺伝子の病原性変異修復実験において、活性のブーストを実証した。
  • 関連crisp_bio記事: CRISPRメモ_2018/04/16 1. Cpf1による哺乳類ゲノムの編集効率向上を、gRNAへのtRNA前駆体挿入によって実現
2. Cas9-sgRNA RNPによる担子菌酵母Pseudozyma antarcticaイタの高効率な遺伝子置換を実現
[出典] "CRISPR/Cas9-mediated gene replacement in the basidiomycetous yeast Pseudozyma antarctica" Kunitake E [..] Kitamoto H. Fungal Genet Biol. 2019-04-23.
  • 農研機構の研究チームは、産業上有用な生分解性プラスチックを分解する酵素 (PaE)と糖脂質を発現可能なP. antarcticaイタにおいて、そのプロトプラストとRNPならびに選択マーカを帯びたドナーDNAを共培養することで、長い (> 0.1 kb)相同アームにて、PaEの効率的遺伝子置換が可能なことを実証した。また、PaADE2イタ遺伝子の場合は、相同アームを伴わないドナーDNAも挿入されることを見出した。
3. ベータ二項分布モデルにより、プール型CRISPRスクリーンデータの感度の高く偽陰性が少ない解析が可能になる
[出典] "Beta-binomial modeling of CRISPR pooled screen data identifies target genes with greater sensitivity and fewer false negatives" Jeong HH, Kim SY, Rousseaux MWC, Zoghbi HY, Liu Z. Genome Res. 2019-04-23.
  • プール型CRISPRスクリーンからの大量配列データの解析には、ロバストな標的同定を可能とする統計モデル、sgRNAレベルの定量をもたらす精密マッピングのアルゴリズム、微調整に必要なパラメーター数の抑制、が必要である。Baylor College of MedicineとTexas Children’s Hospitalの研究グループは今回、より信頼性が高く容易に利用可能なアルゴリズムCRISPRBetaBinomial (CB2)を開発し、よく利用されている8種類のプログラム (HiTSelect, MAGeCK, PBNPA, PinAPL-Py, RIGER, RSA, ScreenBEAMおよびsgRSEA)に優るとし、Amazn Web Service上のCRISPRcloudから公開した。
4. 植物ssDNAウイルスを標的とするCRISPR-Cas14a
[出典] "Targeting Plant ssDNA Viruses with Engineered Miniature CRISPR-Cas14a" Khan MZ, Haider S, Mansoor S, Amin I. Trends Biotechnol. 2019-04-22.
5. CRISPR-Cas9遺伝子編集により、バレイショ (シカゴ種)の耐性機構における核タンパク質coilinの機能を同定
[出典] "Functional Analysis of Coilin in Virus Resistance and Stress Tolerance of Potato Solanum tuberosum using CRISPR-Cas9 Editing" Makhotenko AV, Khromov AV, Snigir EA.et al. Dokl Biochem Biophys. 2019-04-22
  • Cas9とgRNAを金またはキトサンの粒子に固定化し、それぞれ微粒子銃法または真空浸潤法によって、分裂組織細胞へ導入し、coilin遺伝子のすくなくとも1つのアレル損傷が、バレイショのウイルス感染と塩ストレスと浸透圧ストレスへの耐性が高まることを見出した。
6. カイコにおいて標的特異的脱メチル化を実現
[出典] "Programmable targeted epigenetic editing using CRISPR system in Bombyx moriイタ" Liu Y [..] Xia Q. Insect Biochem Mol Biol. 2019-04-22
  • 西南大学の研究チームがdCas9にDNA脱メチル化酵素の一種であるTET1を融合し、ゲノムDNAでメチル化されていることが知られている3ヶ所の標的に特異的で高効率な (17.5 ~ 40.00%)脱メチル化を実現