(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2015/03/17)
[Ma論文] CRISPR技術を使った多色ラベル化によって、ヒト生細胞中の染色体と座位の位置決めが可能に
  • UMASSMEDH. MaT. Pederson等はStreptococcus pyogenesNeisseria meningitidisそしてStreptococcus thermophilus 由来の不活性化したCas9(dCas9)と、赤色、緑色そして青色蛍光タンパク質をそれぞれ融合したコンストラクトを用意した.
  • ヒト生細胞において、sgRNAでターゲットした座位の蛍光を確認し、さらに、多色のdCas9-sgRNAsを組み合わせて、異なる染色体上の座位の間の距離測定、同一染色体上の座位の判別と物理地図上での距離算定に成功した.
  • 本手法による反復配列セットの網羅的同定を進めている.さらに、S. pyogenes dCas9によるRNA認識と他のdCas9によるDNA認識を組み合わせることで、4Dヌクレオソームと遺伝子発現調節の解析への展開を考えている.
[A. V. Wright論文] Cas9の分割とSgRNAによる複合体化
  • UC BerkeleyJ. A. Doudna等は、今回、Cas9のαヘリックス領域と、ヌクレアーゼ活性を有する領域(ヌクレアーゼ・ローブ)をそれぞれ安定に発現させ精製した.すなわち、split-Cas9を生成した.このsplit-Cas9は、sgRNAによって、全長Cas9に類似した構造をとり、ヒト細胞において野生型Cas9と同様にDNA切断活性を示した.この活性は、sgRNA 3’末端のヘアピンを1箇所以上除去すると失われた.