(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/09/03)
- Corresponding author: 加藤幸成(東北大学)
- ヒトポドプラニン(hPDPN)は、正常細胞(リンパ管内皮細胞、I型肺胞上皮細胞および腎臓糸球体上皮細胞)で発現しC型レクチン様受容体 (C-type lectin-like receptor)-2(CLEC-2)との相互作用を介して血小板凝集と癌転移に関与する。癌細胞または癌関連線維芽細胞 (cancer-associated fibroblasts, CAFs)におけるhPDPNの高発現は、癌患者の予後不良と相関する。
- 研究チームは先行研究において、CasMab技術によって、一連の抗hPDPNモノクローナル抗体(マウスIgG1サブクラスのLpMab-2, -3, -7, -9, -12, -13, -17)を開発してきたところ、今回、マウスIgG2b抗hPDPN抗モノクローナル抗体LpMab-19を作出した。
- フローサイトメトリーは、LpMab-19のエピトープはO-グリカンを含み、それがhPDPNのThr76に結合していることを示したが、LpMab-19の最小エピトープがhPDPNのThr76-Arg79であるところまで突き止めた。
- 免疫染色は、LpMab-19が血管内皮細胞には反応しないが、リンパ管内皮細胞および神経膠芽腫と口腔扁平上皮癌に反応することを示した。
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