[出典] COMMENTARY "A CRISPR monkey model unravels a unique function of PINK1 in primate brains" Yang W, Li S, Li XJ. Mol Neurodegener 2019-05-02.
  • PINK1遺伝子の変異は、常染色体劣性の若年性パーキンソン症候群(PD)の病因とされていることから、曁南大学とEmory University School of Medicineの研究チームは今回、CRISPR/Cas9により、サルのPINK1ノックアウト・モデル を作出した。マウスやラットと異なりサルではヒトと同様にタンパク質レベルでPINK1が脳内で大量に発現している。
  • PINK1の2ヶ所のエクソンを標的とすることでPINK1の発現と機能を完全に阻害したサルモデルの脳には、脳の領域に依存する神経細胞の大規模欠損が見られたが、そのパターンは、PD患者に見られる加齢に伴うPINK1の多様な変異に依存するパターンとは異なっていた。
  • PINK1を完全に欠損したヒトの死後脳からのデータは存在しないことから、今回作出したサルモデルは、神経細胞の生存に関与するPINK1の機能解明に有用なモデルである。