(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/09/20)
  • Corresponding author: Christopher R. Vakoc (Cold Spring Harbor Laboratory)
  • The Cancer Genome Atlas (TCGA) とInternational Cancer Genome Consortium (ICGC)などの癌細胞ゲノムシーケンシング・イニシアチブによって、よくある癌のほとんどについて複雑な遺伝的ランドスケープが明らかにされてきた。一方で、既存の療法は、癌細胞変異のごく一部にしか奏功しない。そこで、シーケンシングとアノテーションが施された癌細胞を対象とする大規模薬剤スクリーニングによって癌細胞の遺伝型と薬剤感受性の関係が探る試みが続けられ、癌細胞の薬剤感受性を対象とする情報資源も構築されてきた:
  • 今回、〜1,000細胞株と265種類の低分子を対象とした最大規模の解析結果がCell誌2016年7月7日オンライン版の“A Landscape of Pharmacogenomic Interactions in Cancer”に掲載され、また同月、その成果がGDSCのRelease 6に反映された。 
    [注] 解析手法などの詳細は、原論文または創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/07/14参照
  • 癌細胞株で得られた結果がin vivo でも再現できるとは限らない。したがって、今後、遺伝的情報を伴った患者由来腫瘍を移植したモデル動物による評価さらには治験も経て、研究や創薬に有用なバイオマーカーが絞り込まれていくことになる。
  • しかし、1980年代に癌細胞59株の抗癌剤感受性を測定したNCI-60以来、薬剤の作用機序の理解が進み始めたこと、さらに、細胞株のゲノミクスとエピジェノミクス加えてメタボロミクス解析から、癌細胞に必須の分子機構を特定していく研究手法が広がりつつあることから、癌細胞株の化合物感受性を対象とするデータベースは癌研究の基盤の一つであり続ける。