(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/09/23)
  • 2016年9月16日に、米国保健福祉省(Health and Human Services, HHS)とNIHは、臨床試験の実施と結果のデータベース“ClinicalTrials.gov”への登録を法的必要条件とする制度改革を発表した。今回発表された“Clinical Trials Registration and Results Information Submission”の710頁にわたるFinal Ruleは、2017年1月18日に発効する。
  • NIHは同時に、NIHの資金が部分的にあっても入った臨床試験は結果を含めて全てClinicalTrials.govに登録することを義務付ける関連文書“NIH Policy on the Dissemination of NIH-Funded Clinical Trial Information”も発表した(こちらは26頁)。
  • [背景] 
     臨床試験の手法と結果をClinicalTrials.govに登録する制度は2007年に設けられ、これまでに225,000件以上登録されてきた。しかし、これまでの調査で、臨床試験が登録されないままFDAに認可された薬剤、結果の登録が不十分な事例(‘p-hacking(*)データの登録、臨床試験初期に脱落した薬剤候補のデータのほとんどが未登録、など)が多々存在することが明らかにされており、臨床試験の透明化が求めらてきた。 
    (*) 生データの解析を工夫し、ポジティブな(統計的に有意な)結果のみを報告する行為。
  • [ルール改訂の目的(Final ruleのサマリーから)] 
     患者によるそれぞれの病状に適合する臨床試験探索を支援;臨床試験の設計の質向上;不成功または重篤な副作用を伴う臨床試験の繰り返しを防止;エビデンスに基づいた臨床ケアの促進;薬剤/医療機器開発プロセスの効率化;臨床研究の質の向上;一般社会における臨床試験に対する信頼性構築
  • ルール発効後は、臨床試験への患者登録初回から21日のうちに、臨床試験の計画と統計解析の手法を登録し、試験開始後にプロトコル変更があればそれも登録し、いわゆるネガディブデータも含めて全ての結果を登録していくことになる。また、NIHの資金が投入された場合は、通常健常者の小規模な集団を対象とする第1相試験から登録することが求められ、ルールに従わなかった場合はNIHの資金は引き上げられる。