(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/09/24)
  • Corresponding author: 清水謙多郎(東京大学)
  • 尾部アンカー型(tail-anchored、TA)タンパク質はC末端側に膜貫通ドメイン(TMD)領域をもち、N末端が細胞質内に位置するタンパク質の総称であり、膜タンパク質の3-5 %を占めるが、小胞体膜への挿入機構が独特である。TAタンパク質はシグナル配列がリボソームから細胞質へと出る前に翻訳が終結するため,ほとんどの膜タンパク質の膜挿入機構であるSRP(signal recognition particle,シグナル認識粒子)、SRP受容体、膜透過装置トランスロコンによる小胞体膜への挿入は物理的に不可能であり,トランスコロン非依存の膜挿入機構の解明が進められている(参考図参照)。
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  • これまでにアミノ酸配列から膜タンパク質を同定する解析システムが多数開発されてきたが、TAタンパク質を他の膜タンパク質と識別・同定するには、TMD予測プログラム(例 TMHMM)とシグナル配列予測プログラム(SignalIPTargetP)を組み合わせる必要があった。研究チームは今回、隠れマルコフモデル(HMM)を、実験的に検証されたTAタンパク質の配列データと、TAタンパク質以外の膜タンパク質の配列データとで学習させることにより、アミノ酸配列から直接TAを同定するシステム“TAPPM”を開発した。TAPPMは、高精度であり、かつ、高速でゲノムワイドでのTA同定が可能である。
  • “TAPPM”システム入手先:A HMM-based predictor for TA proteins