[出典] "Development of hRad51–Cas9 nickase fusions that mediate HDR without double-stranded breaks" Rees HA, Yeh WH, Liu DR. Nat Commun 2019-05-17.
  • 二本鎖DNA切断 (DSB)の修復は主としてNHEJ過程に依存しindelsが誘導され、相同DNAを介したHDR過程により特定の変異導入が可能であるが、その効率は低く、HDR産物とindelsの比も低い。
  • DSBを必要としない塩基編集技術、CBEABE、を開発したD. R. Liuらが今回は、Cas9(D10A)ニッカーゼと、DSB修復に関与するヒトRad51 (hRad51) (ライフサイエンス新着論文レビュー 2018引用下図参照)とを融合することで、DSBを介さずに、HDR効率とHDR/indels比を共に向上させた。Rad51
  • hRad51の変異体とCas9 (D10A)ニッカーゼの複合体 (RDN)は、HEK293T細胞に、Cas9ヌクレアーゼ単独の場合の編集効率を超える効率でのHDRを実現した。また、目的としたHDR産物とindelsを含む望ましくない変異との比が、2.7~53倍へと向上した (原論文 Fig. 2引用左下図引用)。
Rad1-2 Rad1-5
  • RDNバリアントは、HEK293Tに加えてK562、HeLa、U2OSおよびhiPSの5種類の細胞において概ね、Cas9単独に対してより高いHDR:indels比とより低いオフターゲット活性を実現した。一方で、RDNバリアントの活性は、標的サイトと細胞の種類に大きく左右された (原論文Fig.5 引用右上図参照)。
  • 研究グループは、Cas9, Cas9(D10A)およびRDNの作用機序モデルを提案 (原論文Fig. 1-a/bとFig. 3-g引用下図参照)model
「相同組み換え修復因子の利用によるHDR亢進」関連crisp_bio記事
  • CRISPRメモ_2019/04/12 [第3項目] Cas9に相同組み換え修復因子を融合することで遺伝子編集を精密化