(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2001/01/10)
2014年3月にIBMとNew York Genome Center(NYGC)がコグニティブシステムWatsonを使った共同研究開始を公にして以来、Watsonに対する医療機関・医療産業への関心が高まってきた。
- Watsonの応用の一つであるWatson Genomicsは、始めに、患者の遺伝子変異を含む遺伝子配列データからドライバー変異を特定し、続いて関連パスウエーを探索し薬剤ターゲットを同定する。その情報に基づいて、タンパク質間相互作用、タンパク質と薬剤の相互作用、および薬剤と疾患の相互作用を膨大な文献から抽出し、治療の全過程に適合した薬剤リストを作成する。Watson Genomicsは商用サービスとして広く公開される予定である。
- Watsonの適用分野は医療に限らないが、IBMによると、Watsonをプラットフォームとして、その上に独自サービスを展開しようと問い合わせてきた3,700社の30%が医療分野であった。具体的内容が明らかにされた中には以下のような事例がある:
・Pathway GenomicsとIBMは、個別化医療を目指して、Watsonをプラットフォームとして
医療相談アプリPathway Panorama™の開発に着手(2014年11月)
・Cleveland Clinicは、ゲノム情報に基づいた癌治療への応用を目指してWasonの利用を開始
(2014年10月)
・Mayo ClinicとIBM、Watsonの臨床試験への応用を試行中(2014年9月)、2015年中に実用へ
・Johnson & Johnson、Baylor College of Medicine、Sanofiなど創薬・既存薬の適用外使用
(drug Repurposing)支援のために、Watsonを評価・試用
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