(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/11/25)
  • 2016年11月23日、Juno Therapeuticsは再発・難治性B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者を対象としたJCAR015の第2相試験ROCKETを自発的に中止したことを発表した。2名が重篤な脳浮腫が発症したことを受けての決定である(発表時点で1名は死亡し1名は回復困難)。
  • ROCKETの中止は、2016年7月の3名死亡を受けたFDAによる中止に続く2回目のことである。その際、Junoは、3名の死は前処理に加えたフルダラビン(Fludarabine)によるものとし、FDAはそれを受けて短期間で、フルダラビンを使用しないROCKETの再開を認めていた。
  • Juno社自身およびまたは第3者による原因究明はこれからのことであるが、CAR-T療法には、サイトカインストームのような副作用と患者の病態も考慮した効能とのバランスをとる難しさが未だ課題であることを否めない。
  • STAT Newsなどの報道によると、「JunoのCEOがROCKETの中止から再開までの間に600万ドル相当の自社株を売却していたが、これには法的問題はない」とされている。