[出典] "Targeting Toxic Nuclear RNA Foci with CRISPR-Cas13 to Treat Myotonic Dystrophy" Poosala P, Lindley SR, Anderson KM, Anderson DM. bioRxiv 2019-07-26.

 University of Rochester School of Medicine and DentistryのAndersonチームは2019年1月に、Prevotella sp. P5-125由来タイプⅥ-B CRISPRのエフェクターCas13bを利用して、ゲノムを改変することなく遺伝子発現の調節を可能にし、ヒトRNAプロセッシングの異常に起因する疾患の療法へと展開可能なPostscriptrを、bioRxivに投稿していたところ [*]、今回Postscriptrに倣った新たなCas13b因子を開発し、筋強直性ジストロフィー1型 (DM1) の治療に展開可能なことを示した。

 ヌクレオチド反復配列 (リピート)が異常に伸長したゲノムから転写されるRNAは、タンパク質を形成することなく、スプライシング異常を誘導し、細胞核内で毒性を帯びたRNA凝集体 (RNA foci)を形成する。DM1は、ヒトの筋緊張性ジストロフィーキナーゼ (dystrophia myotonica protein kinase: DMPK)遺伝子の3'非翻訳領域に存在するCTGリピートの伸長によって発症する。Andersonチームは、Postscriptrと同様に、PspCas13bを利用して、DMPKにみられるCUGリピートRNA fociの可視化と切断を実現し、それぞれのツールをhilightReraseRと命名した。

HilightR (原投稿Figure 1引用下図左参照):不活性化したPspCas13bのN末端に3 xFLAGタグと非古典的な核移行シグナルTy1を融合した上で、C末端にリンカーを介してeGFPを融合したコンストラクトによって、CUGリピートRNA fociの可視化を実現した。
Highlighter スクリーンショット Eraser
EraserR:CUGリピートRNAを標的とするTy1-Cas13bによってCUGリピートRNAの分解を実現した (原投稿Figure 3引用上図右参照)。

参考資料:[*] 2019-01-30 CRISPR-Cas13によるRNAの標的部位切断とポリアデニル化