1. [特許公開] 新奇PAMを認識するStreptococcus canisゲノム編集プラットフォーム
2. カチオン性コポリマーでCRISPR-Cas9システムを送達することでPD-L1発現抑制と免疫応答強化を実現
[出典] "Cdk5 knocking out mediated by CRISPR-Cas9 genome editing for PD-L1 attenuation and enhanced antitumor immunity" Deng H, Tan S [..] Zhang Z. Acta Pharm Sin B 2019-07-23.
  • 華中科技大学の研究グループは今回、Cdk5を標的とするCRISPR-Cas9プラスミドと生分解性のカチオン性ポリマーであるポリ(β−アミノエステル)/PBAE、とのナノ複合体を送達し、Cdk5をノックアウトすることで、腫瘍細胞のPD-L1発現を抑制し、腫瘍微小環境でCD8陽性T細胞の増加と制御性T細胞の減少を実現した。
  • さらに、マウスモデルにて、メラノーマ増殖が阻害され、トリプルネガティブ乳癌4T1細胞の増殖と肺への転位が抑制されることを、見出した。
3. ゲノムワイドCRISPR-Cas9スクリニーングから膠芽腫の3型EGFRと相関するテモゾロミド耐性はNF-κB/E2F6によってもたらされることを同定
[出典] "Genome‐Wide CRISPR‐Cas9 Screening Identifies NF‐κB/E2F6 Responsible for EGFRvIII‐Associated Temozolomide Resistance in Glioblastoma" Huang K [..] Wu X, Jiang T, Kang C. Adv Sci 2019-07-24.
  • EGFRの増幅とEGFRの恒常的活性型腫瘍形成性変異体EGFRvIIIは、膠芽腫 (GBM)で高頻度に見られ、化学療法と放射線両方に対する耐性をもたらす。
  • 天津市神経病学研究所、天津医科大学总医院、首都医科大学、天津医科大学ならびに河北大学の研究グループは今回、EGFRvIIIを発現する膠芽腫細胞を対象とするゲノムワイドCRISPR-Cas9スクリーニングにより、テモゾロミド耐性をもたらす候補遺伝子191種類同定し、中で、E2F転写因子6 (E2F6)がTMZ耐性をドライブし、E2F6の発現が EGFRvIII/AKT/NF-κBパスウエイで制御されることを示した。
  • さらに、TMZを処方されたGBM患者由来細胞を移植したマウスモデルにおいてE2F6が治療標的になり得ることを示し、また、TMZを処方されたGBM患者においてE2F6発現レベルがTMZに対する応答を予測するマーカーになりえることを示した。
4. CRISPR/Cas9でハイブリドーマをゲノム編集し、抗体への部位特異的コンジュゲーションを実現
[出典] "CRISPR/Cas9-Mediated Genetic Engineering of Hybridomas for Creation of Antibodies that Allow for Site-Specific Conjugation"  Khoshnejad M et al. Bioconjugation 2019-07-23 (MIMB).

5. CRISPR-Cas13aにより分裂酵母S. pombeにおけるRNA精密編集を実現
[出典] "Implementation of the CRISPR-Cas13a system in fission yeast and its repurposing for precise RNA editing" Jing X, Xie B [..] Has P, Yang S, Li X. NAR 2018-05-31 (bioRixv 2019-03-19)

 中国科学院上海生命科学研究院植物生理生態研究所、河南大学、上海・パスツール研究所ならびにミシガン州立大学の研究グループの報告
  • Leptotrichia shahii由来Cas13a (LshCas13a)により遺伝子転写産物をノックダウン
  • R1278A変異を導入した不活性型のLshCas13a (以下、dCas13a)にRNA type 2に標的とするヒト・アデノシンデアミナーゼhADAR2dの触媒ドメインを融合した複合体によるRNA塩基編集
  • 転移能を失ったトランスポゾンTf1変異体の転移修復
6. 卵核胞 (germinal vesicle, GV)の状態のブタ卵母細胞にCRISPR/Cas9を注入することでモザイクを回避
[出典] "Production of non-mosaic genome edited porcine embryos by injection of CRISPR/Cas9 into germinal vesicle oocytes" Su X [..] Cong P, Huang J. J Genet Genomics 2019-07-20.
  • 中山大学の研究チームが、X連鎖Dmd遺伝子を標的とするgRNAとcas9 mRNAをGV期卵母細胞にマイクロインジェクションすることで、母系Dmdを効率的に編集し、体外受精を介して得られた胚の81.3%が、モザイク効果を伴わないDmd変異遺伝子を帯びていたことを報告。
7. ミオスタチンを標的とするCRISPR/Cas9によりヒラメ (P. olivaceus)の筋肉量増量
[出典] "CRISPR/Cas9-mediated myostatin disruption enhances muscle mass in the olive flounder Paralichthys olivaceus" Kim H [..] Kong HJ. Aquaculture 2019-07-23.
  • ヒラメのミオスタチン (PoMSTN)の第1エクソンを標的とするsgRNAsとCas9 mRNAを胚へ同時にマイクロインジェクンすることで、体細胞組織での編集効率75.6%を達成し、F0世代で生殖細胞系列を帯びたファウンダーを得、RFLP解析によりF1世代で両アレル変異とヘテロ型変異を選別した。
  • ProMSTNの破壊によってヒラメの厚みとコンディションファクターが増加した。
8. CRISPR-Cas12aシステムによる多重遺伝子編集の効率を、tRNA-crRNAアレイを利用することで向上
[出典] "Improving the efficiency of the CRISPR-Cas12a system with tRNA-crRNA arrays"  Hu X [..: Wang K, You H. Crop J. 2019-07-22.
  • Cas12aは、SpCas9がGリッチなPAMを認識するのに対してTリッチなPAMを認識し、dsDNA切断後粘着末端を残す特徴を帯びている。また、crRNAを成熟する活性も有していることから、crRNAのアレイを用意することで、多重編集を実現することができる。
  • 中国水稲研究所の研究グループは、crRNAアレイに替えてtRNA-crRNAアレイを最適化することで、多重編集の効率が向上し、さらに、crRNAアレイでは編集不可能であった標的も編集可能になることを見出した。
9. [ミニレビュー] CRISPR/Cas9技術による糸状菌のゲノム編集の進歩と展望
[出典] MINI-REVIEW "CRISPR/Cas9 genome editing technology in filamentous fungi: progress and perspective" Song R [..] Zhao B, Lu Hao. Appl Microbiol Biotechnol 2019-07-22
  • 西北農林科技大学を中心とする中国研究グループによるミニレビュー