[出典] "Drug-encapsulated carbon (DECON): A novel platform for enhanced drug delivery" Yadavalli T [..] Shukla D. Sci Adv. 2019-08-14.

 単純ヘルペスウイルスHSV1/2には経口薬アシクロビル (acyclovir: ACV) が有効であるが、長期使用は耐性と腎障害を引き起こす。また、アシクロビルの徐放と局所デリバリーも課題である。University of Illinois at Chicagoの研究グループは、高多孔性の活性炭 (highly porous activated carbon: HPAC)粒子を利用することでACVに伴う課題を解決した。
  • HPACは細胞表面に結合し、HVSを捕捉してその細胞侵入を抑制する;あらかじめACVを吸着させたHPACは、細胞表面に結合後もACVを保持する;HSVに暴露すると、HPACがHSVを捕捉しつつACVを徐々に周辺細胞へと放出する;ACVが入り込んだ細胞ではHSVタンパク質もHSVの増殖も見られない (原論文Fig. S8引用下図参照)。DECON
  • HPACはもともと生体適合性が高いが、10 mg/mlの濃度と~1μmのサイズの粒子はヒトの角膜上皮細胞、包皮線維芽細胞よび膣上皮細胞とHeLa細胞に対し毒性を示さず、また、サイトカイン反応も誘導しない。
  • C57BL/6マウスにHSV-1を感染させ11日間隔日ACVを帯びたDECONを0.1mg/ml局所投与したところ、ウイルス増殖が抑制された。
  • HIV-2感染マウスにおいて、ACVを帯びたDECONの腹腔内隔日投与が、ACVの経口連日投与と同等以上の効用を示した。
  • DECONによって、薬剤投与量と投与頻度を抑制することが可能であり、また、DECONは他の感染症・疾患と治療薬に展開可能である。