[出典] "CRISPR/Cas13a powered electrochemical microfluidic biosensor for nucleic acid amplification-free miRNA diagnostics" Bruch R, Baaske J [..] Dincer C, Urban GA. bioRxiv. 2019-08-21. > Adv Mater. 2019 Oct 30:e1905311.

 Cas13a-crRNA [1]は、標的のRNAまたはDNAに結合すると、RNAsを無差別に切断する'コラテラルRNase'活性を帯びている。F. Zhangらは切断されると蛍光を発するレポータRNAを工夫することで、この'コラテラルRNase'を活用した超高感度核酸検出法SHERLOCK [2]を開発した。

 U Freiburgを主とする研究グループは今回、フルオレセイン(6-FAM)とビオチンで両端を標識したレポータRNAを工夫し、レポータRNAの切断に伴って変化する化学反応を検出する電気化学セルを組み込んだマイクロ流体デバイスを開発した。
  • このデバイスでは、'immobilization area'に固定化したストレプトアビジンによりビオチン標識を帯びたレポータRNAを捉え、このレポータRNAが6-FAM標識を介して、6-FAMに対する抗体を結合したグルコースオキシダーゼ (GOx)を捉える。
  • Cas13a-crRNAの標的miRNAが存在しない場合は、immobilization areaにレポータRNAを介して固定されたGOxが、デバイスに供給されるグルコースを過酸化酸素へ変換するが、標的miRNAが存在するとレポータRNAが切断され、GOxはimmobilization areaから消え、過酸化水素の生成が止まる。
  • この過酸化水素の発生量を電気化学セルからの電流で測定する。電流信号は、切断されていないレポータRNAに固定化されているGOxに比例し、ひいては、標的miRNAの量に反比例する。
  • このデバイスにより、試料調整から腫瘍マーカ候補であるmiR-19bとmiR-20aの定量まで4時間以内で完了し、サンプル量0.6 µl未満で検出限界10 pMを達成し、脳腫瘍の小児患者由来の血清からのmiR-19b検出を実現した。本手法は同一サンプルについてqRT-PCRによる測定結果と整合した一方で、核酸増幅を必要とせず [4]、低コストである。
 [参考記事]