(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/12/29)
  • Corresponding author: Zhiheng Yu (CryoEM Shared Resources, Janelia Research Campus, HHMI); N. C. J. Strynadka (U. British Columbia)
  • グラム陰性病原性バクテリアにはI型からIV型までの分泌装置が知られているが、III型分泌装置(Type III secretion system: T3SS)の中心は宿主細胞へ病原因子を送り込むニードルを菌体外へ突出させている(参考図左図参照)インジェクチソーム複合体である。研究チームは今回、クライオ電顕単粒子再構成法によって、Salmonella enterica serovar Typhimurium(ネズミチフス菌)SPI-1(Salmonella pathogenicity island 1: SPI-1)の構造解析を試みた。 [注] III型分泌装置を構成するタンパク質はゲノム上でpathogenicity islandにコードされている。43720001
    • インジェウチソームの内膜(参考図左図)を構成するタンパク質PrgHのN末端細胞質ドメインを欠損している分泌不全型インジェクチソーム変異体(PrgH130-392 )の基部の構造を、6.3 Å分解能で再構成し、さらに、対称性を考慮することで、4.3 Åの分解能を得た。加えて、全長タンパク質を精製し、外膜タンパク質InvGの構造もクライオ電顕単粒子再構成法で分解能3.6 Åで決定した。
  • [注] クライオ電顕法レビューの一例:岩崎憲治. “新時代:クライオ電子顕微鏡による近原子分解能での解析” ライフサイエンス領域融合レビュー 2016年11月4日.