1. Cas12aVDet:核酸の迅速可視化を実現するプラットフォームをCas12aに基づいて構築
[出典] "Cas12aVDet: a CRISPR/Cas12a-based platform for rapid and visual nucleic acid detection" Wang B, Wang R, Wang D, Wu J, Li J, Wang J, Liu H, Wang Y. Anal Chem 2019-08-28
  • 常温で、15分のリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)に連続して15分のCas12aのコラレテラルssDNAレポータ切断へて計30分で標的核酸を目視可能とするプラットフォームを開発した。連続操作によって、エアロゾルを介したサンプル汚染のリスクを回避。
2. リーシュマニア属とその媒介昆虫 (ベクター)サシチョウバエ類との相互作用をCRISPR/Cas9技術で探る
[出典] "CRISPR/Cas9 Mutagenesis in Phlebotomus papatasi: the Immune Deficiency Pathway Impacts Vector Competence forLeishmania major" Louradour I, Ghosh K, Inbar E, Sacks DL. mBio 2019-08-27
  • NIAID/NIHの研究チームは今回、サシチョウバエ類のPhlebotomus papatasiが帯びている自然免疫応答機構の一つであるImmune Deficiency Pathway (IMD)経路上の唯一の転写因子遺伝子relishのヌル変異体をCRISPR/Cas9により作出し、リーシュマニア属Leishmania majorの感染が亢進されることを見出した。
  • 本研究は、CRISPR/Cas9によるサシチョウバエ類ゲノム編集の初めての成功例であり、また、ゲノム編集技術によるサシチョウバエ類のリーシュマニア属の媒介性を制御する分子機構解明が可能なことを初めて示した。なお、CRISPR/Cas9による昆虫ゲノム編集は2014年のショウジョウバエ (Bassett & Liu, Methods)に始まり現在では非モデル昆虫にも広がっている。
3. CRISPR-Cas9スクリーンにより抗体-薬物複合体 (Antibody-Drug Conjugate: ADC)の細胞障害性を制御するリソソーム内の既知・新奇因子を同定
[出典] "CRISPR-Cas9 screens identify regulators of antibody–drug conjugate toxicity" Tsui CK [..] Bassik MC. Nat Chem Biol. 2019-08-26
  • Stanford Universityを主とする研究グループは今回、C18ORF8/RMC1がエンドソーム成熟への関与を介してADCに細胞障害性を制御することを発見した。
  • また、抗体と薬物を結合するリンカーへの依存性や、シアル酸枯渇がADCのリソソームへの輸送を亢進し多様な癌細胞を障害するに至ることも見出した (例 HER2陽性乳癌に対するFDA認可薬トラスツズマブ エムタンシン)。
4. 低分子およびゲノム-スケールCRISPR-Cas9 KOによるスクリーニングの双方が、小児悪性ラブドイド腫瘍 (RT)の治療標的としていくつかの受容体型チロシンキナーゼ (RTK) を同定
[出典] "Small-Molecule and CRISPR Screening Converge to Reveal Receptor Tyrosine Kinase Dependencies in Pediatric Rhabdoid Tumors" Oberlick EM, Rees MG [..] Roberts CWM. Cell Rep 2019-08-27
  • Broad Instituteを主とする研究グループは今回、in vitroおよび異種移植したモデルマウスin vivoでRTの増殖を抑制するRTKsを同定した。また、スクリーニング対象としたRT細胞株全てについて、SHP2をコードするPRPN11遺伝子への依存性を見出した。
5. CRISPR/Cas9によりメルケル細胞ポリオーマウイルス (MCPyV)の腫瘍抗原にフレームシフトを誘導するとメルケル細胞癌 (MCC)の細胞周期が停止され細胞死が亢進する
[出典] "CRISPR/Cas9 Editing of the Polyomavirus Tumor Antigens Inhibits Merkel Cell Carcinoma Growth In Vitro" Temblador A, Topalis D, Andrei G, Snoeck R. Cancers 2019-08-28
  • Rega Institute for Medical Research (ベルギー)の研究チームが、MCPyV陽性のMCC細胞株2種類 (MS-1とWAGA)に、small T抗原 (sT)とlarge T抗原(LT)を標的とするsT/LT-sgRNAとKT-sgRNAによるCas9編集を加え、フレームシフト誘導によりMCC細胞株の増殖が阻害される一方で、HEL293細胞は影響されないことを示した。
6. CRISPR/Cas9により成長ホルモン受容体 (GHR)ノックアウトBamaミニブタ線維芽細胞を作出
[出典] "Efficient generation of GHR knockout Bama minipig fibroblast cells using CRISPR/Cas9-mediated gene editing" Wang R, Zhang JY, Lu KH, Lu SS, Zhu XX. In Vitro Cell Dev Biol Anim. 2019-08-27
  • 広西大学の研究グループが成長ホルモン欠乏症の研究資源として開発
7. CRISPR/Cas9ツールにより好熱性菌類M. sepedonium由来の熱安定性の高いトレハラーゼTreMのA. niger内での発現を亢進し、TreMを精製・解析
[出典] "Improving expression of thermostable trehalase from Myceliophthora sepedonium in Aspergillus niger mediated by the CRISPR/Cas9 tool and its purification, characterization" Dong L, Yu D, Lin X, Wang B, Pan L. Protein Expr Purif. 2019-08-27. 
  • 華南理工大学の研究グループが、CRISPR/Cas9によるマルチコピー・ノックインを介して、1943.06 U/mL (従来法の4.8倍)の収量を実現。