[出典] An efficient CRISPR-based strategy to insert small and large fragments of DNA using short homology arms. Kanca O [..] Bellen HJ. bioRxiv. 2019-09-09.
  • Baylor College of MedicineやHarvard Medical Schoolなど米国研究グループは先行研究で、Drosophila Gene Disruption Project (GDP) の一環として遺伝子機能の解析ツールとして、Swappable Integration Cassette (SIC)を、CRISPR-Cas9とドナーDNAを介したHDR過程を利用して標的遺伝子へ挿入するCRIMIC (CRISPR-mediated Integration Cassette) 法を開発した。
  • 従来のCRIMICは、両端に~1 kbの長さの相同アームを伴うドナーDNAのコンストラクトに依存する。研究グループは今回、PCR技術に基づいてssDNAドナーまたは合成dsDNAドナーを生合成する簡便な手法 (ssDNA drop-in*dsDNA drop-in*)を開発し、CRIMICの簡素化とコスト圧縮、ひいてはGDPの目標達成を促進するスケーラビリティーを実現した (* bioRxiv投稿Figure 1とFigure 4から引用した左右の下図参照)。
Fig. 1 Fig. 4
  • ssDNA drop-inは、ssDNAドナーをPCRで合成しその両端に100 ntの長さの相同アームを連結したコンストラクトを利用する。この手法によって、2 kb未満のコンストラクを介して、ショウジョウバエのS2R+細胞における効率的な遺伝子導入と複数の細胞小器官のGFPタギングを実現した。
  • dsDNA drop-inは、低コストで合成可能な1~5 kbの長さのdsDNAの両端に100 ntと短い相同アームおよびgRNAの標的になりえる配列を連結したコンストラクト**を細胞に送達しショウジョウバエ生殖細胞でのノックインを確認した。この手法は、gRNAの標的になりえる配列がCas9で切断されることで、ドナーdsDNAがプラスミドから放出される仕組みに基づいている (** コンストラクト合成コストを従来の~300 USDから~100 USDへと圧縮)。