1. [ハイライト] CRISPRシステムは免疫に加えて転移にも貢献する
[出典] [Dispatch] Transposition: A CRISPR Way to Get Around. Dimitriu T, Ashby B, Westra ER. Curr Biol. 2019-09-23.
  • バクテリアのゲノムにコードされているCRISPRシステムはバクテリアの獲得免疫応答システムとして知られている。
  • バクテリアゲノム内のTn7様トランスポゾン内にもCRISPRシステムがコードされていることが知られていたが、このTnsEホモログを欠損しているトランスポゾンとスペーサ獲得と標的切断を担うCasタンパク質を欠損しているCRISPRシステムが協働して、プラスミド上のcrRNA標的部位の下流への転移を実現することが (CRISPR-guided transposition)、2019年6月にScience誌とNature誌に相次いで報告された [1-2]。
  • 著者らは2論文をハイライトし、CRISPR-guided transpositionの応用および機能獲得の進化過程について考察を加えた。
関連crisp_bio記事
2. 胚ゲノム編集に関する社会的責任のある議論に向けて (#CRISPRbabies)
[出典] CRISPR in context: towards a socially responsible debate on embryo editing. Morrison M, de Saile S. Palgrave Commun. 2019-09-24.
  • 著者らは、バイオテクノロジーの応用としての生殖補助医療 (Assisted Reproductive Technologies: ART)の歴史を振り返り、'CRISPR babise'を単独の逸脱行為としてではなく、その文脈の中で議論すべきとし、具体的に、技術的課題と倫理的課題の切り分け、生殖産業がサービスを提供する可能性の観点から考察を加え、Mary Douglasの ‘matter out of place’の概念に基づいた新奇バイオテクノロジーに対するコンセンサスのあり方についても考察を加えた。
3. [プロトコル] SHERLOCK (#CRISPRdx)
[出典] SHERLOCK: nucleic acid detection with CRISPR nucleases. Kellner MJ, Koob JG, Gootenberg JS, Abudayyeh OO, Zhang F. Nat Protoc. 2019 Oct;14(10):2986-3012. Online 2019-09-23.
# 2020-02-07 crisp_bio追記: BOX1の中のComparison of Cas13 and Cas12 orthologsにおけるsensitivityの数値修正 (HTMLとPDF上では修正済) Author Correction: SHERLOCK: nucleic acid detection with CRISPR nucleases. Nat Protocol 2020-01-31
  • SHERLOCKは、試料から抽出したDNA/RNAをリコンビナーゼポリメラーゼ増幅法(RPA/RT-TPA)で増幅しT7でRNAへと転写し、このRNAをcrRNAが認識することでCas13-crRNAが発揮するコラテラルRNA分解活性により、消光状態であったレポータ分子からの蛍光発光を誘導することで、標的核酸を超高感度かつ短時間で検出可能とした手法である。
  • 開発グループが今回、LwaCas13aの発現と精製、crRNAsのIVT、臨床資料からDNA/RNA抽出、等温増幅プライマー、多重化および定量アッセイの留意点など、プロトコルを詳細に解説。
4. [プロトコル] C. elegansのCRISPR-Cas9ゲノム編集 (2006年版からの改訂)
[出典] CRISPR‐Cas9‐Guided Genome Engineering in Caenorhabditis elegans. Kim HM, Colaiácovo MP. Curr Protoc Mol Biol. 2019-09-24.
  • gRNAの設計とクローニング、HR修復用テンプレート作成、送達法、およびマーカ不要のトランスジェニック個体のスクリーニング法
5. CRISPR/Cas9によるダイズのゲノム編集を効率化する多重プロモータを選定
[出典] Enhancing the CRISPR/Cas9 system based on multiple GmU6 promoters in soybean. Di YH, Sun XJ [..] Zhao SS, Zhang H. Biochem Biophys Res Commun. 2019-09-23.
  • ダイズのゲノムに内在する11種類のU6プロモーターについて、短縮型β-グルクロニダーゼの発現を効率的に誘導する5種類を同定し、3種類の内在遺伝子の発現を効率的に (~20%)誘導する2種類を同定した。
6. [レビュー] CRISPR/Cas技術が植物のバイオロジーと育種を加速
[出典] [REVIEW] CRISPR/Cas brings plant biology and breeding into the fast lane. Schindele A, Dorn A, Puchta H. Curr Opin Biotechnol. 2019-09-23.
  • CRISPR/CasによるRNA編集; CRISPRa/iおよびBE; 組織特異的Cas発現によるターゲッティング効率向上; 染色体再配置; 野生種からの遺伝的多様性の拡大と栽培化加速
7. CRSISPR-Cas9による植物ゲノム編集に利用されるsgRNAとSpCas9のバイナリーベクタのクローニング
[出典] A zero-background CRISPR binary vector system for construction of sgRNA libraries in plant functional genomics applications. Yun JY, Kim ST, Kim SG, Kim JS. Plant Biotechnol Rep. 2019-09-24
  • sgRNAのスキャフォールドにAarI認識部位で囲んだ細胞毒性を帯びたccdbカッセット導入するpZeroBG-CRISPRバイナリーベクタシステムを開発し、意図しないクローニングが発生したベクターを帯びた大腸菌の除去を実現
8. [レビュー] ゲノム編集 (Genome Engineering, GE)植物の野外実験
[出典] Genome-edited plants in the field. Metje-Sprink J, Sprink T, Hartung F. Curr Opin Biotechnol.2019-09-23.
  • 中国におけるイネをはじめとして、日本、米国、英国、ベルギーにおける種々の作物を対象とするゲノム編集野外実験の事例をまとめ、栽培特性、環境リスク、規制について議論