# 2019-10-06修正:論文タイトルの先頭から抜け落ちしていた2つの単語を挿入。
[出典] Rationally engineered Staphylococcus aureus Cas9 nucleases with high genome-wide specificity. Tan Y, Chu AHY [..] She J, Zheng Z. PNAS 2019-09-30.

 香港城市大学を主とする研究グループは今回、構造情報に基づく高精度なSpCas9変異体作出の手法に倣って、SaCas9の高精度版を作出し、SaCas9-HFと称した。
  • HEK293細胞において、RECローブの3ヶ所のR245, N413とN419およびRuvC-IIIドメインのR654をアラニンに置換した4種類の変異体について、オンターゲット編集活性ともに、オフターゲット編集活性をGUIDE-seqおよびターゲット・ディープシーケンシングで評価した。
  • 変異体と遺伝子座によって変動はあるが、概ね野生型SaCas9に対して、オンターゲット編集活性は同等であり、オフターゲット編集活性が顕著に抑制されることを確認し、一連の変異体をSaCas9-HFと称した。
  • 二重、三重、および四重の全ての変異の組み合わせについても評価し、R245AとN413Aを帯びた変異体のオフターゲット編集活性が、それらを含まない組み合わせよりも抑制されることを見出した。
  • ヒトの網膜色素上皮細胞ARPE19に、オフターゲット編集が起こりやすいことが知られているVEGFAを標的とするSaCas9-HFをAAVにて送達し、オンターゲット活性は野生型の50.9%に対して18.4%と低いが、オフターゲット編集は非検出であることを見出した。
  • 野生型Sa-Cas9のPAM 'NNGRRT'よりも制約が緩い'NNNRRT (Nは任意、RはAまたはG)' PAMを認識するKKH-SaCas9 [*]も同様に高精度化し、 KKH-HFと称した。
  • [*] CRISPR関連文献メモ_2015/12/11 [第3項] PAMの多様化を許す変異導入によってStaphylococcus aureus Cas9 (SaCas9)による編集可能ゲノム領域を拡大:Kleinstiver BP [..] Joung JK.