[出典] High levels of AAV vector integration into CRISPR-induced DNA breaks. Hanlon KS [..] Maguire CA, György B. Nat Commun. 2019-09-30.
  • Harvard Medical SchoolとMassachusetts General Hospitalを中心とする研究グループは今回、マウスの初代皮質ニューロンと、マウスの海馬、蝸牛および筋肉in vivoで、Cas9-sgRNAの送達に利用したAAVベクターが、DSB (二本鎖切断)部位にAAVが組み込まれるが、それ以外の領域への組み込みは発生しない (オフターゲットサイトへのAAV組み込みは非検出)ことを見出した (原論文Fig. 1引用下図参照)。AAV 1
  • さらに、その組み込みをNGSで解析可能なミニAAV (175 bpのλバクテリオファージをコードする全長465 bpのAAV: AAV-λ465)のDSB部位への組み込みをU2-OS細胞において評価し、組み込みは少なくとも一方の末端逆位反復配列 (ITR)領域が必須であり、AAV-λ465の断片およびAAV-λ465の全長より長い (~0.7-4 kb)AAV-λ465の断片のコンカテマーの組み込みが発生し、AAV-λ465全長の組み込みも発生することを見出した (原論文 Fig. 3引用下図参照)。AAV 3
  • この実験は、遺伝子疾患の治療標的遺伝子 (APPSW, Mecp2, Dnmt3b, Dmd)を標的として行い、AAVベクターを介した遺伝子治療法に一石を投じる結果となったが、一方で、AAVの組み込みを、CRISPR-Cas9を含むゲノム編集ヌクレアーゼのオンターゲット特異性の指標として利用可能なことも示唆された。