2018年09月

1. ADAM17とPD1のCRISPR/Cas9ノックアウトによりNK細胞免疫療法の可能性を広げた
[出典] "A Genetically Engineered Primary Human Natural Killer Cell Platform for Cancer Immunotherapy" Pomeroy EJ [..] Moriarity BS. bioRxiv. 2018.Sep 29.
  • NK (ナチュラルキラー)細胞は、その癌細胞障害性に加えて末梢血からの分離と増幅が容易であり、また、移植片対宿主病を誘導しないことから、免疫療法への展開が期待される。しかし、NK細胞免疫療法は臨床試験では芳しい成果を示していない。この一因は、移植後のNK細胞に持続性と増幅が欠けることにある。また、腫瘍微小環境におけるNK細胞受容体レパトアとリガンド発現の改変によってNK細胞の活性が抑制されることも要因である。
  • U. Minnesotaの研究チームは、NK細胞の活性化因子であるCD16aを切断するADAM17に加えてPD-1をCRISPR/Cas9でノックアウトすることで、ヒト末梢血由来NK細胞 (peripheral blood human NK cells, PB-NKs)の活性、サイトカイン産生、および癌細胞に対する細胞障害性が顕著に亢進することを示した。CRISPR/Cas9の組換えAAV6デリバリーによる編集効率はヒト初代T細胞で報告されていた手法に匹敵する90%に達した。
2. CRISPR/Cas9システムを帯びた接合性プラスミドでコリスチン耐性遺伝子を除去し多剤耐性菌に打ち克つ
[出典] "Exploiting a conjugative CRISPR/Cas9 system to eliminate plasmid harboring mcr-1 gene from Escherichia coli" Dong H, Xiang H, Mu D, Wang D, Wang T. Int J Antimicrob Agents. 2018 Sep 26.
  • 可動性コリスチン耐性遺伝子mar-1は、多剤耐性菌に対して有効とされているポリミキシンに耐性をもたらす。吉林大学と吉林農業大学の研究チームは、mar-1を標的とするCRISPR/Cas9システムを帯び宿主依存性が無い接合性プラスミドを構築し、それによってグラム陰性病原菌に存在するコリスチン耐性遺伝子を帯びた伝播性プラスミドの除去を実現した。
3. CRISPR生物学を巡る10の謎
[出典] Comment "Open questions: CRISPR biology" Koonin EV. BMC Biology. 2018 Sep 24.
  • 投げかけられた謎は、CRISPR/Casシステム自体およびクラスとタイプの偏在とその由来、CRISPR-Cas活性と遺伝子水平伝播 (HGT)のバランス、CRISPR-Casと細胞死/休眠の関係、免疫応答以外の機能、病原性との関係、トランスポゾンやプラスミドにコードされているCRISPR-Casシステムの機能、CRISPR-Casの起源など10項目
4. [レビュー] バクテリアのタイプI およびタイプII CRISPR-Casシステムの解析と応用
[出典] Review "Characterization and Repurposing of Type I and Type II CRISPR-Cas Systems in Bacteria" Hidalgo-Cantabrana C, Goh YJ, Barrangou R. J Mol Biol. 2018 Sep 24.
  • CRISPR生物学と作用機序;CRISPRCRISPR-Casシステムの再利用(CRISPR-Casシステムのin silico解析;CRISPR-Casの活性と機能性;内在CRISPR-Casシステムの利用);バクテリアにおける応用 (内在システム;異種システム)
5. [ハイライト] 進化し続けるCRISPRバーコーディング・ツールボックス
[出典] Research Highlight "The continuously evolving CRISPR barcoding toolbox" Thomas Gaj T, Perez-Pinera P. Genome Biol. 2018 Sep 25.
6. 海洋珪藻 Phaeodactylum tricornutumへのCRISPR/Cas9プラスミドのデリバリー法を比較 - パーティクル・ガン法とバクテリアの接合を利用したデリバリー法
[出典]"Transgene-free genome editing in marine algae by bacterial conjugation – comparison with biolistic CRISPR/Cas9 transformation" Sharma AK, Nymark M, Sparstad T,  Bones AM, Winge  P. Sci Rep. 2018 Sep 26.
  • 原論文Table 1と2を引用した以下の2つの比較表参照
bacteria conjugation 1 bacteria conjugation 2
7. パーティクル・ガン法によるCRISPR/Cas9の一過性発現によって、小麦のin plantaゲノム編集を実現
[出典] "Biolistic-delivery-based transient CRISPR/Cas9 expression enables in planta genome editing in wheat" Hamada H, Liu Y, Nagira Y, Miki R, Taoka N,  Imai R. Sci Rep. 2018 Sep 26.
  • カルス培養と植物体再分化不要で外来遺伝子フリーなin plantaゲノム編集;吸水させた種子胚から露出させた茎頂分裂組織(SAM)に、TaGASR7を標的とするCRISPR/Cas9コンポーネント発現するプラスミドで被覆した金粒子をパーティクル・ガンで打ち込むin planta particle bombardment (iPB)法を開発し、植物体に成長後の第5葉における標的遺伝子の変異を解析;打ち込んだ210サンプルのうち11植物体に変異アレルがみられ、そのう3植物体の変異は次世代に継承された。
8. GWASとCRISPR/Cas9遺伝子編集で眉毛の太さの転写活性調節因子を同定
[出典]"Genome-wide association studies and CRISPR/Cas9-mediated gene editing identify regulatory variants influencing eyebrow thickness in humans" Wu S, Zhang M, Yang X [..] Zhang L, Jin L, Wang S. PLoS Genet. 2018 Sep 24.
  • 漢民族をはじめとする多人種のコホートのGWASから絞り込んだ遺伝子をCRISPR/Cas9で検証;これまでの想定と異なり、眉毛の太さに強い選択圧の影響見られず
9. [レビュー] CRISPR/Cas時代の酵母遺伝子間相互作用 (GI)のスクリーニング
[出典] Review "Yeast genetic interaction screens in the age of CRISPR/Cas" Adames NR, Gallegos JE, Peccoud J. Curr Genet. 2018 Sep 25.
  • 従来のGI解析法と、CRISPR/Casによる多重変異導入を利用したGI解析法を比較 (出典Table 1を引用した下図参照)yeast GI
10. [レビュー] ヒトiPS細胞とCRISPRゲノム編集による循環代謝病疾患の心筋細胞モデル作出
[出典] Review "CRISPR engineering cardiometabolic disease models using human iPSC" McKinney CE, Baumgarner KM. AIMS Cell and Tissue Engineering. 2018 Sep 14.
  • 心筋症、代謝疾患、チャネロパチーの患者由来iPS細胞そしてまたはCRISPRゲノム編集iPS細胞モデル;モデルの課題と展望

[出典] "Conversion of staphylococcal pathogenicity islands to CRISPR-carrying antibacterial agents that cure infections in mice" Ram G, Ross HF, Novick RP, Rodriguez-Pagan I, Jiang D. Nat Biotechnol. 2018 Sep 24.

背景
  • 黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus)その他のブドウ球菌 (staphylococci)は、院内に限らず学校やジムなどの環境でも、重篤な感染症を引き起こす可能性を帯びた病原菌であり、しかも各種の抗生物質に対する耐性を獲得し続けてきた。特に、ベータラクタム系やアミノグリコシド系の抗生物質への耐性を獲得した菌株による感染症は多くの場合、治療不能である。
概要
  • New York University School of Medicineの研究チームは今回、抗生物質にもファージ療法 (phage therapy)にも依存しない新たな療法の可能性を、in vitroおよびマウスモデルで実証した。極めて可動性が高いブドウ球菌の病原性アイランド (staphylococcal pathogenicity islands, SaPIs)を抗菌性アイランド (研究チームは抗菌性ドローン (antibacterial drones, ABDs)と命名)に変身させる療法である。
ABDの作出
  • SaPIsはブドウ球菌の染色体DNAに組みこまれているが、特定のバクテリオファージによって、切り出され、増殖し、ファージ様粒子に内包され、ファージ様粒子は、ファージによる溶菌を介して細胞から放出され、SaPIsが他の細胞に感染していくことになる。
  • 典型的病原性アイランドであるSaPIとSaPI2を対象としてそれらの転移能を損なうことなく、毒遺伝子を削除し、また、カプシドをコードする遺伝子 (cpmAcpmB )を削除することで、30-kbのカーゴを格納可能とした。
  • カーゴとして、ブドウ球菌の病原因子の発現に関与する制御しかつ非必須な遺伝子agrまたはプロモーターも含むagrP2P3を標的とするgRNAと、CRISPR-Cas9またはCRISPR-dCas9を、標準的なアレル置換技術により挿入し、ABDを作出した。また、SaPIsは Listeria monocytogenesにも転移可能なことから、リステリオリシンOをコードする遺伝子hlyを標的とするCRISPR-Cas9をカーゴとするABDも作出した。
S. aureusの殺傷
  • CRISPR-Cas9-agr標的gRNAで、in vitroでABDのSaPIs選択的殺傷作用を確認したが、CRISPR耐性菌の存在も同定した。次に、マウスモデルにおいてABDの局所注射によっても腹腔内注射によってもS. aureusの皮下組織膿瘍形成を阻害し、また、ABD投与によって致死量S. Aureusの腹腔内投与マウスが生存することを確認した。
S. aureusの毒性遺伝子発現抑制
  • CRISPR-dCas9-argrP2P3標的gRNAをカーゴとするABDが、agrの発現が完全に抑制されることを蛍光レポーターと溶血性活性の測定から確認した。また、このABDが、S. aureusを残したつつも、マウス皮下組織膿瘍形成も阻害することを確認した。
ABDの課題
  • 耐性:ABDを取り込まない菌株やCRISPRが標的とするスペーサーを欠損あるいは変異した菌株はABDに耐性を示し、ヘルパーとなるファージやモジュールの多重化などの対策が必要
  • ABDの純度など:宿主遺伝子の混入、SaPIsとの間の組み換えなど、および休眠中SaPIsの活性化といったリスクの検証が必要
  • 効用が継続する期間の長期化が必要
ABDの特長
  • 特定の遺伝子を標的とするABDは、ファージ療法よりも安定かつ効果的であり、宿主マイクロバイオームを損傷することもなく、サイズも含めてカーゴの選択に自由度があり、宿主域が広く、病原菌の多様な分子機序を標的可能であり、ABDを回避した病原菌を阻害する因子も組み合わせることができる。また、ABDが他のCRISPRデリバリーシステムよりも効率的な点からも、感染症対策に適している。

1. CRISPRiによりバクテリアにおけるMGE調節
[出典] "CRISPR-interference based modulation of mobile genetic elements in bacteria" Nyerges A, Balint B, Cseklye J, Nagy I, Pal C,  Feher T. bioRxiv.  2018-09-27.
  • 合成生物学においてバクテリアに導入する合成遺伝子は、可動遺伝子因子群 (MGEs)が誘導する突然変異によって、設計した機能を短時間で失う。この問題の解決にこれまでは、バクテリア染色体の編集と全ての挿入配列 (ISes)を削除するという極めて長時間を要する操作を要していた。
  • ハンガリーの Institute of Biochemistry, Biological Research CentreとSeqomics Biotechnology Ltd.の研究チームは今回新たな問題解決の手法として、CRISPRiによってバクテリアのISesの転移を阻害する単一プラスミド・システム (a single plasmid-based system, pCRIS)を構築した。
  • pCRISは、 Escherichia coli in vivoで、38遺伝子座に存在するIS1, IS3, IS5およびIS150の同時サイレンシングを可能とする多重gRNAsを発現する。これによって、染色体とエピソームの双方において標的の4ISesの転移レベルが無視できる程度まで低減し、外来遺伝子からのタンパク質発現の半減期が伸びた。pCRISの効力は、ゲノム・スケールでの染色体工学による操作と同等であった。
  • pCRISは多様なE. coli菌株において転移サイレンシングを実現した。
2. Lipofectamineトランスフェクション試薬を利用することで、非モデル線虫におけるRNAiとCRISPRを介した変異誘発を亢進する
[出典] "Liposome-based transfection enhances RNAi and CRISPR-mediated mutagenesis in non-model nematode systems" Adams S, Pathak P, Shao H, Lok J, da Silvabio AP. bioRxiv. 2018-09-27.
  • モデル生物に有効な機能解析手法はしばしば非モデル生物には有効ではない。 U. WarwickとU. Pennsylvaniaの英米の研究チームは今回、2017年に記載されたAuanema属線虫  の耐久型幼虫にも遺伝性変異を導入可能な手法を開発し、Pristionchus pacificus とヒト寄生Strongyloides stercoralisへのRNAiにも有用なことも示した。
  • 本手法では、Lipofectamineトランスフェクション試薬とdsRNAまたはCRISPR Cas9 RNP-ssDNAとの混合液をマイクロインジェクションする (lipofectamineの効果、原論文Table 3引用下図参照)。Lipofectamine
3. FLASH: 薬剤耐性 (antimicrobial resistance, AMR)遺伝子検出を多重化する次世代CRISPR診断法
[出典] "FLASH: A next-generation CRISPR diagnostic for multiplexed detection of antimicrobial resistance sequences" Quan J, Langelier C, Kuchta A [..] Crawford ED. bioRxiv. 20198-09-27.
  • 抗生物質に対する耐性を獲得した病原微生物はヒトの健康に対する脅威である。臨床分離培養株からのAMR遺伝子検出は容易であるが、臨床検体の高いバックグラウンドから低含量のAMR遺伝子を直接検出することは容易ではない。
  • UCSF, Stanford U, Sanger Inst.ならびにNamibia Uの研究チームは今回、FLASH (Finding Low Abundance Sequences by Hybridization)法を開発し、臨床検体からkのAMR遺伝子の直接検出を実現した。
  • FLASHでは、ゲノムDNAまたはcRNAを脱リン酸化により再結合をブロックし、Cas9とAMR遺伝子を標的とするgRNAsセットでイルミナ・シーケンシングに適したサイズにまで消化した上で、アダプター連結、増幅を経て、バックグラウンドに対してAMR遺伝子断片を濃縮し、NGSで解析する。
  • CARDResFinderデータベースからAMR関連遺伝子3,624遺伝子配列を抽出し、5,513 gRNAsを設計し、127 AMR遺伝子で、臨床分離株と患者4名からの気道液および乾燥血液スポット (Dried Blood Spot, DBS)で検証した。
  • FLASH-NGSはNGSに対して濃縮度が平均5,000倍 (563~13,244倍)に達し、バックグラウンドを最小限にとどめ、濃度アトモル未満の遺伝子検出を実現した。また、gRNA設計用ソフトウエアツールFLASHitを公開した。

[出典] "A Cas9 with Complete PAM Recognition for Adenine Dinucleotides" Jakimo N,  Chatterjee P, Nip L, Jacobson JM. bioRxiv. 2018-09-27.

背景
  • CRISPR-Cas遺伝子編集で最もよく利用されているStreptococcus pyogenes Cas9 (Spy Cas9)のdsDNA切断は、野生型では5'-NGG-3' PAM配列に縛られる。
  • PAMの拡張が、Spy Cas9改変による拡張が試みられてきたが、in vivoにてPAM配列の1つがGであることを必要としている。PAM拡張の観点から、S. pyogenes以外のバクテリア由来のエンドヌクレアーゼの探索も続けられており、Cas12a (Cpf1)がATリッチな領域のdsDNAも高精度で編集可能なことが同定されたが、Cas12aは、一旦標的に結合するとssDNAを非選択的に切断し、予期せざる変異を誘導するリスクを伴っている。
  • ヒトゲノムの多くのATリッチな領域が、現行CRISPR-Casシステムによる遺伝子編集の対象外となっている。
概要
  • MITの研究チームは今回、5'-NAA-3' PAMを認識するエンドヌクレアーゼをStreptococcus macacae NCTC11558  (Smac Cas9) から発見し、SpyCas9とPAM相互作用領域のドメインを交換したハイブリッドCas9を作出し、これが、ゲノム上のアデニンジヌクレオチド (AA) PAM配列を認識し、かつ、ヒト細胞における安定した効率的遺伝子編集を実現することを実証した。
Smac Cas9への絞り込み
  • バイオインフォマティクス:MITの研究チームは、UniProtから抽出したSpy Cas9のホモログ115種類のアライメントから出発し、5'-NAAG-3'を認識するSpy Cas9(QQR)変異体の配列や、ファージ由来のスペーサー配列に対応するATリッチなPAM候補配列なども参照し (独自開発した SPAMALOTパイプライン)、Smac Cas9に注目するに至った。
  • 実験:Cas9のオーソログの間では、そのPAM相互作用 (PI)ドメインを交換可能である。そこで、Spy dCas9とSmac dCas9のPIドメインを交換したSpy-mac dCas9が認識する5’-NNNNNNNN-3’PAMをPAM-SCANRで判定し、グアニン(G)を含まないPAMを認識することを確認した (Spy dCas9と他のオーソログとのハイブリットCas9についても評価)。
Smac Cas9とSpy-mac Cas9のヌクレアーゼ活性
  • In vitroで、5'-NAAN-3'、. 5’-TAAGXXXX-3’(Xは、A, C, GまたはTに固定)、5’-NBBAA-3’, 5’-NABAB-3’, 5’-NBABA-3’を含むdsDNAで切断活性を確認
  • HEK293T細胞で、5'-NAAN-3' PAMのモデルとなるVEGFA遺伝子座に対して、in vitroと同様に、Spy-mac Cas9が、Smac Cas9よりも高い活性を示し、また、5’-NAAG-3'または5’-CAAN-3’ PAM隣接配列にも活性を示すことを同定した。
  • さらに、R221KとN394Kの2種類の変異を導入することで、indel誘導効率が低かった遺伝子座に対する活性向上を実現し、この変異体を"increased" editing Spy-mac Cas9 (iSpy-mac Cas9)と命名した。iSpy-mac Cas9は、in vivoで同一遺伝子座に対してAcidaminococcus sp. BV3L6 Cas12 (AsCas12)および Lachnospiraceae bacterium ND2006 Cas12(LbCas12)よりも高活性を示した。
Spy-mac nCas9-BE3の性能
  • HEK293T細胞において、この効率はindels導入効率よりも高いC-to-T置換効率20-30%を達成した。

1. [特許] ゲノムDNAの一本鎖切断誘導法および塩基編集 (BE)の結果を評価する法
  • 公開日 09/13/2018;発明者 Kim, Jin-soo;権利者 Institute for Basic Science (Daejeon, KR) 
  • シチジンデアミナーゼ/不活性化したCas9やCpf1など/gRNAによるDNA一本鎖切断、塩基編集(BE)で生成された核酸配列のシーケンシングを経て、BEサイト、BEのオンターゲットおよびオフターゲットサイトでの編集結果の同定と評価
  • Jin-soo KimグループのBEのオフターゲット解析論文:"Genome-wide target specificities of CRISPR RNA-guided programmable deaminases" Kim D, Lim K, Kim ST, Yoon SH, Kim K, Ryu SM, Kim JS. Nat Biotechnol. 2017 May;35(5):475-480. Online 2017-04-10
2. [特許] 白血球に疾患変異を誘導し(モデリング)、アッセイおよび治療への利用を可能とするCRISPR-Casゲノム編集システム
  • 公開日 09/13/2018;発明者 Regev A, Parnas O, Jovanovic M, Hacohen N, Eisenhaure T;権利者 Broad Institute Inc, MIT, The General Hospital Corporation.
3. [特許] 誘導可能かつ調節可能なCRISPR-Casシステムのベクター、構成および遺伝子治療への利用
  • 公開日 09/13/2018;発明者 Greenberg KP, Finer MH;権利者 Coda Biotherapeutics, Inc
  • 利用例の対象として神経障害性疼痛/チャネロパチーを例示
4. [特許] Tet遺伝子編集によるCAR T細胞療法の強化
[出典] PATENT "CAR T cell therapies with enhanced efficacy" US2018/0258149
  • 公開日 09/13/2018;発明者 Motz G, Bushman FD, Fraietta JA, June CH,  Melenhorst JJ, Nobles CL, Young RM;権利者 Novartis AG, The Trustees of the University of Pennsylvania.
  • CRISPR/Cas9などによるメチルシトシンジオキシゲナーゼ遺伝子 (Tet1, Tet2, Tet3)の破壊によるCAR T細胞療法の治療効果向上
5. [プロトコル] CRISPR/Cas9によるmiRNAs阻害を介して、CHO細胞における組換えタンパク質生産性を向上
[出典] PROTOCOL "Targeting miRNAs with CRISPR/Cas9 to Improve Recombinant Protein Production of CHO Cells" Kellner K, Solanki A, Amann T, Lao N, Barron N. In: Hacker D. (eds) Recombinant Protein Expression in Mammalian Cells. Methods in Molecular Biology. 2018 Sep 22.
  • マイクロRNAスポンジやshRNAによる阻害に替えて、miR-27a/bを標的とするCRISPR/Cas9によりCHO細胞における組換えタンパク質の生産性を向上
6. [プロトコル] CHO細胞における抗体のフコシル化をCRISPR/Cas9遺伝子編集で排除
[出典] PROTOCOL "Application of the CRISPR/Cas9 Gene Editing Method for Modulating Antibody Fucosylation in CHO Cells" Wang Q, Chung CY, Rosenberg JN, Yu G. Betenbaugh MJ. In: Hacker D. (eds) Recombinant Protein Expression in Mammalian Cells. Methods in Molecular Biology. 2018-09-22
  • CHO細胞は抗体医薬を生産する宿主細胞として広く利用されている。CHO細胞では通常高フコース型の抗体が発現するが、フコース除去により抗体依存性細胞障害活性ADCCが向上することが知られている。
  • CRISPR-Cas9により α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ (FUT8)遺伝子のノックアウトひいては抗体上のα-1,6-フコシル化を阻害。
7. [プロトコル] 間葉系幹細胞工学
[出典] PROTOCOL "Mesenchymal Stem Cell Engineering" Liu S. In: Liu S. (eds) Rheumatoid Arthritis. Methods in Molecular Biology. 2018 Sep 23.
  • CRISPRゲノム編集技術による間葉系幹細胞 (MSC)標的遺伝子改変は、関節リウマチ治療用インプライント作製法として有望
8. [プロトコル] シナプトソーム解析による自閉症スペクトラム障害 (ASD)その他の神経発達障害の分子メカニズム解明
[出典] PROTOCOL "The Use of Synaptosomes in Studying Autism Spectrum Disorder and Other Neurodevelopmental Disorders" Murtaza N, Kwan V, Dave B, Singh KK. In: Murphy K. (eds) Synaptosomes. Neuromethods. 2018 Sep 22.
  • CRISPR/Cas9ゲノム編集によるシナプトソームにおける機能ゲノミクス;ASDマウスモデルまたはヒトiPS細胞由来神経細胞モデルの作出、脳オルガノイドにおけるシナプスの形成と機能解析、およびBioID(近位依存性ビオチン標識) によるシナプスタンパク質間相互作用の動態観察を組み合わせたシナプトソーム解析
9. [レビュー] 神経疾患の遺伝子治療:神経外科的観点から
[出典] REVIEW "Gene Therapy for Neurological Disease: A Neurosurgical Review" Hitti FL, Gonzalez-Alegre P, Lucas TH (University of Pennsylvania). World Neurosurg. 2018 Sep 22.
  • CRISPR/Cas9の利用を含む神経疾患遺伝子治療の動向をレビュー
  • 関連レビュー: "Gene therapy for neurological disorders: progress and prospects" Deverman BE, Ravina BM, Bankiewicz KS, Paul SM, Sah DWY. Nat Rev Drug Discov. 2018 Aug 10.
10. QTLとコンジェニック・マウス実験で絞り込んだ脳特異的新規GPCRを標的とするCRISPR-Cas9遺伝子編集を介して、小頭症の病態に遺伝的背景が影響する分子機序を同定
[出典] "Gpr63 is a novel modifier of microcephaly in Ttc21b mouse mutants" Snedeker J ,  Gibbons WJ ,  Prows DR ,  Stottmann R. bioRxiv. 2018-09-22
  • Ttc21baln/aln変異による小頭症マウスモデルにおいて、FVB/NJ系統がC57BL/6J系統よりも前脳が極めて小さくなる;CRISPR-Cas9によりB6のGpr63配列を帯びたFVBコンジェニックマウスを作出し、 FVBマウスにおけるGPR63のミスセンス変異によってC末端テイルが切り詰められ、Gpr63遺伝子が系統間の差異をもたらしていることを裏付け

↑このページのトップヘ