2019年10月

[出典] Engineered amphiphilic peptides enable delivery of proteins and CRISPR-associated nucleases to airway epithelia. Krishnamurthy S [..] McCray Jr PB. Nat Commun. 2019-10-28
  • 気道上皮細胞への生体分子の効率的デリバリーは長年わたる課題であり、さまざまな細胞導入法が工夫されてきている [1]。University of IowaとFeldan Therapeutics (Québec)の研究グループは今回、蛍光タンパク質 (GFP)ならびにSpCas9またはAsCas12aのRNPに非共有結合する両親媒性のシャトルペプチドを開発[*]することで、これらのカーゴの高分化型ヒト気道上皮培養細胞、ならびに、マウス個体の気道上皮細胞への効率的導入を実現した。
  • SpCas9またはAsCas12aのRNPを結合したシャトルペプチドをマウスに注入することで、ROSAmT/mGマウスの気道上皮細胞のゲノム編集を実現した。RNPは気道全体に広がり、短期毒性は見られなかった (シャトルペプチドでの送達とCas9単独の送達の比較について、Fig 4引用下図参照)。Fig. 4-1
[参考]
  1. CRISPRメモ_2018/11/03 [第1項] ヘルパー依存型アデノウイルスベクターを送達手段とすることで、CTCF遺伝子のCRISPR形質導入による嚢胞性線維症の治療の道が開ける
  2. エンドソーム溶解ペプチドCM18に6個のヒスチジンタグを帯びたCPP PTD4に融合したシャトルベクトル (CM18-PTD4)から、さらに送達性を高めた3種類のシャトルペプチド (S10, S18およびS85)を作出・評価した。CM18-PTD4と3種類のシャトルペプチドのアライメントと、NK細胞におけるCas12a RNPによるindels誘導効率と、ヒト気道上皮培養細胞へのGFP送達での評価について、Fig. 1引用下図参照Fig. 1

[出典] Genome-wide microhomologies enable precise template-free editing of biologically relevant deletion mutations. Grajcarek J [..] Woltjen K. Nat Commun. 2019-10-24.; 2019-10-25 京都大学iPS細胞研究所ニュース "新たなツール(MHcut法)とゲノム編集技術を用いて患者さんの細胞を使わずにヒトiPS細胞から遺伝子疾患のモデル細胞をつくることに成功"

 二本鎖DNA切断(DSB)修復の修復過程として、NHEJ (非相同末端結合)とテンプレートに依存するHD (相同組換え)に加えて、DSBの切断された末端間の短い相補的配列 (5~25塩基対)に依存するMMEJ (マイクロホモロジー媒介末端結合)が知られている。

 CRISPR-Cas9によるゲノム編集ツールはこれまで主として、NEHJによる遺伝子ノックアウトとHDを介した遺伝子ノックインが広がってきたが、MMEJを介したツールも開発されている。例えば、広島大学と農研機構の研究グループが2017年にPITch法を開発しヒト培養細胞とモデル動物で実証し[1]、2018年には、京都大学iPS細胞研究所 (CiRA)、慶應大学および広島大学の研究グループがMhAX (microhomology assisted excision)を発表し、ヒトiPSCs (hiPSCs)から、正常遺伝子、ヘテロ型変異遺伝子およびホモ型変異遺伝子をそれぞれ帯びた細胞のスカーレスな導出を実証した [2]

 CiRAの研究グループは今回McGill Universityと共同で、ヒトゲノムにおいてMMEJ配列 (μH)を随伴する遺伝子欠損変異を同定し、そうした遺伝子欠損変異が全遺伝子欠損変異の57%をも占めることを見出し、加えて、CRISPR-Cas9で標的可能な部位を同定した (MHcut法)。その上で、MMEJを介したCRISPR-Cas9ゲノム編集により、hiPSCsから精密な疾患モデル細胞を作出した。

μH随伴遺伝子欠損の同定を可能としたMHcut法の概要 (Fig.1 引用下図参照)1
  • 原論文Fig. 1から引用した上図 a に、HDR、NHEJ (図の中では c(lassical)-NHEJと表記)ならびにMMEJのモデル図がまとめられ、上図 b に、ヒトReSeqデータベースからのμHsの検出、PAM配列を手がかりとしたgRNAsの同定、μHsがネストした部位の同定などを経たCRISPR-Cas9 MMEJによる標的可能部位の同定のワークフローがまとめられている。
  • 上図 c にMHcutにより、RefSeqから絞り込んだμHの長さが3 bp以上を伴う遺伝子欠損数 (11,103,351件)と、そこからさらに絞り込んだCRISPR-Cas9の標的可能遺伝子欠損数 (588,540件)、および、レポートの項目がまとめられている。また、上図に挿入したFig. 1-gにあるように、タンパク質コーディング領域の中で、エクソン領域においてμHを伴う欠損を伴う割合が88%に達することも見出した。
μH随伴遺伝子欠損疾患モデル細胞の作出 (Fig. 2引用下図参照)2
  • 次に、hiPSCsまたはヒトES細胞に、CRISPR-Cas9 MMEJを介して、MHcutによって絞り込んだCRISPR-Cas9 MMEJの標的可能な病因変異を誘導することで、疾患モデル細胞の作出が可能なことを実証した (Fig. 2引用上図参照)。
  • 筋ジストロフィーの原因遺伝子としてよく知られているとDYSF遺伝子と、光線過敏症原因遺伝子として知られているALAS2遺伝子 (機能獲得をもたらす変異)とFECH遺伝子 (機能喪失をもたらす変異)に、CRISPR-Cas9 MMEJを介して、病因変異をhiPSCsに誘導し、それぞれ、筋細胞と赤血球に分化させ、患者由来細胞の表現型と機能を精密に再現できることを示した。
 こうして、MHcutによりdbSNPとClinVarを参照しつつRefSeqから導出したMMEJ随伴遺伝子欠損データセットとCRISPR-Cas9 MMEJを組合わせることで、遺伝子欠損変異の半数以上について、疾患関連機能ゲノミクスと薬剤スクリーニングの研究基盤となるモデル細胞の樹立が可能になった。

 MHcutデータセットは、MHcut browserのサイト (https://mhcut-browser.genap.ca/)から公開されている (下図画面キャプチャ参照)MHcut
[MMEJを介したゲノム編集関連crisp_bio記事]
  1. 2017-05-06 TALENまたはCRISPR/Cas9を使ったゲノム編集において、ヒト培養細胞、カエル、カイコへの正確かつ高効率な遺伝子ノックインを実現したPITch法
  2. CRISPRメモ_2018/03/06 [第1項] MhAX (microhomology assisted excision):マイクロホモロジー媒介末端結合 (MMEJ)を介したヒトiPSCsのスカーレス・ゲノム編集
  3. 2019-04-05 
    微細重複症候群の病因変異はテンプレートフリーのMMEJ過程により精密修復が可能
  4. 2018-11-08 機械学習モデルにより一塩基編集技術を磨く (2件):NHEJ/MMEJの道とHDRの道それぞれに
  5. CRISPRメモ_2018/12/29 [第2項] MMEJを介して、CRISPR/Cas9による分裂酵母ゲノムへの効率的ノックインを実現
  6. CRISPRメモ_2018/09/25 (3件) [第3項] MMEJの安定した活性化を介して精密な遺伝子編集を実現

[出典] Extracellular vesicles nanoarray technology: Immobilization of individual extracellular vesicles on nanopatterned polyethylene glycol-lipid conjugate brushes. Yokota S, Kuramochi H, Okubo K, Iwaya A, Tsuchiya S, Ichiki T. PLoS One. 2019-10-24;東京大学大学院工学系研究科プレスリリース 2019-10-29 "単一ナノ粒子計測を可能にするエクソソームアレイチップを世界で初めて開発~エクソソームの個性を調べる新たなプラットフォーム技術~" (crisp_bio注:本記事ではEVナノアレイという表記で統一したが、原論文では技術の多用性の観点からナノアレイ・チップと表記されている)

 細胞外小胞 (Extracellular vesicles, EV)は、由来する細胞の情報を帯びていることから、細胞間のコミュニケーションを担い、ひいては、リキッドバイオブシーのバイオマーカーや治療標的となり得ること、また、CRISPR/Cas9システムなどのキャリアとなり得ることから、その基礎研究と応用研究が急速に進展している [関連crisp_bio記事 1~8 参照]

 細胞外小胞は多様であり、サイズに応じて~35 nmのexomere、60~80 nmのエクソソーム-S (Exo-S)、90~120 nm のExo-Lといった分類が提案され [5]、サイズごとに自動的に分離するLab-on-A-Chip [7]も開発されてきたが、これまでの実験は、EV集団の平均像を捉えるに留まっていた。

 東京大学大学院工学研究科マテリアル工学の研究チームは今回、DNAマイクロアレイ製作技術の高精度化とマイクロ流体デバイスを組み合わせて、個々のEVを基板上のナノスポットに固定することに成功し、原子力間顕微鏡 (AFM)法によりEVの形状を分析することで、EVの由来細胞と、EVの変形能 (deformability)が相関することを示した。

 今回は、由来細胞依存変形能の同定が可能なことを実証したが、このEVナノアレイは、NGS、ELISA、SERS (表面増強ラマン散乱)、MALDI-TOFなどによるシングルEV-マルチオミックスのプラットフォームになり得る。
EVナノアレイの概念 (Fig. 1引用下図参照)1
  • PEG-脂質複合体で修飾したナノスポットを配置したシリコン基板を (上図 A)、マイクロ流体デバイスに組み込み、EVs懸濁液を流し、EVが、抗体を介さずに、PEG-脂質複合体を介してナノスポットに吸着することを期待する。
  • EVナノアレイをマイクロ流体デバイスから脱着したのち、AFMによりナノスポットに固定化されたEVsの形状を測定する (上図B)。
ナノスポットアレイの加工 (Fig. 2引用下図参照)2
  • 電子線リソグラフィー (Advantest F7000S-VD03システムを利用)を介してシリコン基板表面の二酸化ケイ素の層の上にナノスポットを形成し、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を介してPEG-脂質で修飾する (上図A/D参照)。
  • ナノスポットの径、アレイのピッチそして密度はそれぞれ、200 nm、200 nmそして5.0 × 10,000 spots/mm2であり、ナノスポットへのEVsの付着は~100 nmの精度に及ぶ。
実証実験 (Fig. 3引用下図参照)3
  • ヒト乳がん細胞株 (Sk-Br-3)と、ヒト胎児腎細胞 (HEK293)由来のEVsを対象として、AFM画像から測定したアスペクト比 (aspect ration, AR)と直径 (d)から、ナノスポットの吸着前のEVsの直径Dを推定し、2種類の細胞の間で、Dの分布に有意差があることを見出した (上図 C/E参照)。
  • ナノスポット上での直径と高さがともに30 nmと7 nmを超える対象をEVsとして扱い、EVアレイの~20%に、EVsが吸着していることを見出した。
  • また、今回の直径 200 nmのナノスポットには、比較的小型のEVs (~ 30 nm ~ exomere)が選択的に吸着される傾向が見られ、今後、EVs懸濁液の流量、ナノスポットのサイズなどの実験条件と、検出ナノスポットのサイズおよび特性との相関関係の分析を進める必要がある。
[関連crisp_bio記事] 
1. CRISPRメモ_2018/03/08 [第2項] 細胞外小胞を利用したCRISPR-Cas9/sgRNAの新たな送達手段
6. CRISPRメモ_2018/02/07-2 [第9項] エクソソーム - リポソームのハイブリッド・ナノ粒子で、CRISPR/Cas9システムを間葉系幹細胞(MSCs)に導入

1. 深層学習によりsgRNAのバクテリアにおけるオンターゲット活性を予測する - 真核生物版も
[出典] Prediction of sgRNA on-target activity in bacteria by deep learning. Wang L, Zhang J. BMC Bioinformatics. 2019-10-24.
  • これまでに深層学習によるCRISPRシステムのオンターゲット活性モデル構築が試みられてきたが、北京理工大学の研究チームは今回、ヒト細胞に替えて、深層学習により微生物ゲノムを対象とするsgRNAのオンターゲット活性モデルを構築した。
  • 具体的には、 E. coliにおいて、~70,000 sgRNAライブラリーを利用して、Cas9、eSpCas9およびrecAコーディング領域を欠失したCas9 (ΔrecA)によるオンターゲット活性を測定した2種類のデータセット (Set 1とSet 2; Table 1引用左下図参照)に基づいて、5層の畳み込みニューラルネットワークによるモデル (以下、CNN_5layers)構築と評価を行い、既報のモデルを凌ぐ結果となった (Table 2引用右下図参照)。
 2019-10-29 T1 2019-10-29 T2
  • 次に、 Haeusslerら (Genome Biol., 2016) がまとめた真核生物ゲノムを対象とするデータセットをもとに真核生物版CNN_5laysersモデルも構築し、DeepCRISPR, CeepCas9およびTSAMと性能を比較し、11種類のデータセットのうち9種類について他を凌ぐ結果となった。
  • さらに、原核生物と真核生物の差異をもたらす特性パラメータ、オフターゲット効果およびsgRNAシーケンスの特徴も考慮に入れることで、オンターゲット活性の予測精度が向上することも示した。
[深層学習関連crisp_bio記事]
2. ショウジョウバエの染色体再編成を、CRISPR/Cas9と一対のsgRNAsにより実現
[出典] A method to estimate the frequency of chromosomal rearrangements induced by CRISPR/Cas9 multiplexing in Drosophila. Ng WA, Reed BH. bioRxiv. 2019-10-22
  • CRISPR/Cas9は、ショウジョウバエを含むモデル生物の遺伝子ノックアウトと遺伝子置換に広く利用されている。また、モデル生物の中で、マウス、酵母、線虫、およびゼブラフィッシュでは、CRISPR/Cas9によって部位特異的に転座や逆位といった部位特異的な染色体再編成が実現されていた。
  • ショウジョウバエの部位特異的な染色体再編成にはこれまで、Flp/FRTシステムを介した組換えが利用されてきた。この技術はDrosDel欠失系統のコレクションの作出にも利用されているが、トランスポゾンP因子によるFRTの挿入がランダムに発生することから、染色体の再編成や欠失を設計するにあたり、予めゲノムの構造や挿入の向きを知っておく必要がある。
  • University of Waterlooの研究チームは今回、self-selectingスクリーニング系を構築することでCas9と一対のsgRNAsにより、ショウジョウバエの部位特異的な染色体再編成が可能なことを、初めて示した。
  • 評価に必要なスクリーニング系を、autosynaptic formとして知られている常染色体性 (autosomal)挟動原体逆位(pericentric inversion)を帯びたショウジョウバエ系統を利用して構築した。このautosynapticのオスと野生型のメスの子孫は、挟動原体逆位の染色体乗り換へにより重複染色体が生成され異数性が過剰になり、致死となる。
  • このスクリーニング系に基づいて、野生型メスにCas9と一対のsgRNAsにより染色体再編成 (pericentric inversion)を誘導し、autosynaptic formのオス系統と交配し、致死性を免れた子孫を解析した。
  • 130匹のゲノム編集メスの中で、autosynaptic formのオス系統と交配の結果子孫をもたらしたのは1匹に留まったが、唾液腺の巨大な多糸染色体の電顕像、PCRおよびシーケンシング解析から、一対のsgRNAsで標的した2ヶ所の間で、 ブレイクポイント (breakpoint)が修復されていたことを確認した。
[染色体再編成関連crisp_bio記事]

3. CRISPR RNAは、Cascade核タンパク質複合体の構造とサイズと密接に関係している
[出典] A CRISPR RNA Is Closely Related With the Size of the Cascade Nucleoprotein Complex. Gu DH, Ha SC, Kim JS. Front Microbiol. 2019-10-29
  • エタノール生産菌として知られるZymomonas mobilis ZM4は3種類のCRISPRシステムを帯びているが、その中で、4種類の遺伝子 (ZmCsy1-4: -1, -2, -3, -4)がタイプI-F CRISPRシステムのCascade複合体を形成している。全南大学校とPohang Accelerator Laboratoryの研究チームは今回、Z. mobilisにおいてCascade複合体が形成される分子機構の構造基盤を明らかにすることを目指してZmCsy3サブユニットのX線結晶構造解析を行った (PDB ID 6KQR (分解能 2.9 Å) 2019-10-29公開待ち)。
  • 興味深いことに、ZmCys3はcrRNAに結合していない状態でも、crRNAが結合しているP. aeruginosaのタイプI-F Cascadeの構造に酷似していた (Figure 1とFigure 2から引用した下図左右を参照)。
 2019-10-29 12019-10-29 2
  • また溶液中で、単量体のZmCsy3タンパク質は、結合するcrRNAの長さによって、異なるオリゴマーを形成した (Figure 3引用下図参照)。2019-10-29 3
  • これまでの報告と今回の構造情報から、Cascade複合体の形成とサイズはcrRNAに依存することが示唆された。
[Z. mobilis CRISPRシステム関連crisp_bio記事]
  • CRISPRメモ_2019/03/23 - 2 [第4項] 通性嫌気性エタノール生産菌Zymomonas mobilis内在のタイプI-F CRISPR-CasシステムをZ. mobilisゲノム工学へ活用する

[出典] Pan-cancer computational histopathology reveals mutations, tumor composition and prognosis. Fu Y [..] Gerstung M. bioRxiv. 2019-10-25

 癌の診断は、主としてヘマトキシリン・エオジン染色 (H&E染色)が施されたサンプルの組織病理画像に元にした時代を経て、ゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームおよびプロテオームの分子データが加わることで、グレードの判定と予後判定がより精密になり、また、この部分の自動化が進んてきた。組織病理的画像に基づくグレード判定と予後判定についても、近年、デジタル画像処理と深層学習の進展により、専門医の判定に整合する自動判定が実現しつつある [1-3]

 これまで、組織病理画像診断の自動化を目指す深層学習の研究が限られた腫瘍型を対象としてきたところ、EMBL-EBIとAddenbrooke’s Hospital (UK)の研究グループは、28種類の腫瘍に由来するH&E染色サンプルの組織病理画像から、深層転送学習に基づいて、遺伝的変異や腫瘍組織の構成の同定、さらには予後判定も可能なことを示し、今回開発した手法を、汎がんコンピュータ組織病理学 (Pan-cancer computational histopathology, PC-CHiP)としてbioRxivに投稿した 。
  • はじめに、TCGAから、ゲノム、トランスクリプトームならびに臨床・予後のデータ・情報を伴っているH&E染色凍結組織の画像17,396例を抽出した。このデータセットは28種類の腫瘍組織と14種類の正常組織を網羅するに至った。
  • PC-CHiPのコアには定評あるCNNモデルの一つであるInception-V4 (解説arXiv投稿)を採用し、~1,400万のタイル (512 x 512ピクセルの画像)の分類を可能にするように学習を進めることで得られた最適アルゴリズムにより、各タイルを1,536種類の画像の特徴の組み合わせで数値化するに至った (Figure 1-a引用下図参照)。2019-10-28 16.13.21
  • 組織病理画像の数値化によって、画像が由来する組織の同定に加えて腫瘍組織と正常組織の精密な自動識別が可能になった (Figure 1 bとe 引用下図参照)。 2019-10-28 16.15.21
  • UMAPを利用して多様体学習に基づく次元縮約を実現し、組織病理学的特徴1,536種類に基づく腫瘍組織と正常組織の2次元マップも作成した (Figure 1c と d引用下図参照)。2019-10-28 16.17.33
  • PC-CHiPにより、組織病理画像と、癌でよく見られる遺伝的変異*との間に存在する相関も明らかになった  (* 全ゲノム重複 (WGDs); 染色体腕レベルでのコピー数獲得と損失; 遺伝子の増幅 (focal amplification)と欠失; ドライバー遺伝子の変異:Figure 2引用下図参照)。2019-10-28 16.19.03
  • PC-CHiPは、組織病理画像と転写プロファイルの特徴の対応関係も明らかにし、各スライドごとに、組織病理画像のパターンから間質組織や腫瘍浸潤リンパ球 (tumor infiltrating lymphocytes, TIL)の局在の自動同定も可能にした (Figure 3引用下図参照)。2019-10-28 16.20.09
  • PC-CHiPはまた殆どの癌型において、予後と相関するパターンを認識可能にし、ひいては、これまでの専門医による組織病理学サブタイプとグレード分類 (historical grading)や予後判定と整合しつつより高精度な分類と判定が可能なことを示した (Figure 4引用下図参照)。2019-10-28 16.21.24
  • PC-CHiPにより、組織病理データと分子データの自動的統合解析が可能になり、癌診断のワークフローを強化するに至った。

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