[出典] Optimised insert design for improved single-molecule imaging and quantification through CRISPR-Cas9 mediated knock-in. Khan AO [..] Thomas SG, Morgan NV. Sci Rep. 2019-10-02.

 英国Centre of Membrane and Protein and Receptorsを主とする研究グループは、安定した定量的SMLM (Single-Molecule Localization Microscopy、1分子局在顕微鏡法)に適した高品質なサンプル調整法として、CRISPR-Cas9 HDRを介した標的タンパク質をコードする遺伝子へのタグのノックインを試みてきた。

 先行研究 [*]にて、3種類のヒト細胞株 (HEK293T、A549およびHel92.17)のチューブリン遺伝子TubA1Bに、mEGFPまたはPALMフォトスイッチタグmEosをCRISPR-Cas9 HDRを介してノックインし、超解像のSMLM (Single-Molecule Localization Microscopy/1分子局在顕微鏡法:PALM, dSTORMおよびSRRF)による可視化を評価し、PALMタグとしてmEGFPがmEosに優ることを見出していた [* CRISPR-Cas9 Mediated Labelling Allows for Single Molecule Imaging and Resolution. Khan AO, Simms VA, Pike JA, Thomas SG, Morgan NV. Sci Rep. 2017 Aug 16;7(1):8450]。

 研究グループは今回、CRISPR-Cas9ノックインにおいて、同一条件 (gRNA、リンカー、相同アーム)で様々なタグをノックインし、タグと標的遺伝子の発現およびSMLMでの可視化の比較評価を可能とするワークフローを開発した (原論文Fig. 1引用下図参照)。Fig. 1
  • このワークフローに基づいてTubA1BのCRISPR-Cas9タギングを再度比較し、単量体性(monomericity)を高めコドン最適化したmEos 4b COによって、mEos 3.2のPALMでの可用性が高めた。
  • 加えて、GPCRの一種であり治療標的として注目されているケモカイン受容体CXCR4のC末端タギングがCXCR4の分布と機能に与える影響を、mEos 4b CO、mEGFPおよびHaloTagについてHEK293T細胞で評価した。TubA1BについてもCXCR4についても、mEGFPがPALMタグとして優れているとした。
  • また、CXCR4の過剰発現よりも、CRISPR-Cas9による遺伝子タギングの法が、CXCR4のリガンド応答をより精密に捉えられることを示した。
  • crisp_bio注:研究グループは先行研究以来"CRISPR-PALM"という表記を使用している。