1. [ミニ豚2型糖尿病モデル] Preparation of a new type 2 diabetic miniature pig model via the CRISPR/Cas9 system. Zou X, Ouyang H [..] Chen C. Cell Death Dis. 2019-10-28
  • 吉林大学の研究グループが、Cas9 相同組み換えと体細胞核移植を経て (Fig. 3引用下図参照)、hIAPP
    ヒトの膵島アミロイドポリペプチド (human islet amyloid polypeptide, hIAPP )*を帯びたhIAPPミニ豚モデルを樹立した (* hIAPPの蓄積は2型糖尿病の主因とされている)。
2. [デリバリー] Carboxylated nanodiamond-mediated CRISPR-Cas9 delivery of human retinoschisis mutation into human iPSCs and mouse retina. Yang TC, Chang CY, Yarmishyn AA [..] Tzeng Y, Chang CC, Chiou SH. Acta Biomater. 2019-10-28
  • 台北栄民総医院、交通大学、成功大学、陽明大学などの台湾の研究グループが、DNA、タンパク質および薬剤の比較的安定な炭素材料とされてきたナノダイヤモンド (nanodiamond, ND)をキャリア(*)とするCRISPR/Cas9遺伝子編集により、ヒトiPSCsとマウス網膜へのX染色体連鎖性若年網膜分離症 (X-linled juvenile retinoschisis: XLRS)の原因となるRS1変異 (c.625C>T)の導入を実現し、このモデルマウスにて光受容体の構造異常などのXLRSの症状を再現した。
  • (*) 表面をカルボシキル化した3 nm径のNDに予め結合させたmCherry-Hisタグに、Cas9とGFPレポータをコードしたDNA鎖と、sgRNAをコードしたDNAとRS1 c.625C>T変異を帯びたHDRテンプレートからなるDNA鎖を、それぞれ共有結合させる。このNDの標的細胞への内在化の効率が、ウシ血清アルブミンを混合することで顕著に向上した。
3. [PAMs同定] Efficient cleavage resolves PAM preferences of CRISPR-Cas in human cells. Tang L [..] Gu F. Cell Regeneration. 2019-10-28.
  • 温州医科大学と河南大学の研究グループが、PAMの網羅的スクリーニング法として、dCas9に依存する“PAM-SCANR(PAM screen achieved by NOT-gate repression)” に変えて、Cas9の活性からPAMを判定するPAM-DOSE (PAM Definition by Observable Sequence Excision) 法を開発して、SpCas9, Cas12a (FnCas12a, AsCas12a, LbCas12a and MbCas12a) とSpCas9-NGのそれぞれについて有効なPAMsを同定した。
4. [酵母ゲノム編集ミニレビュー] Enhanced scale and scope of genome engineering and regulation using CRISPR/Cas in Saccharomyces cerevisiae. Deaner M, Alper HS. FEMS Yeast Research. 2019-10-26.
  • テキサス大学オースティン校の研究チームが、S. cerevisiaeを解析対象として、CRISPR技術の基本、遺伝子ターゲッティング、プール型ライブラリによるゲノムスケールでの遺伝子編集と転写調節、および、代謝工学への応用をレビューした。
5. [オフターゲット予測] Prediction of off-target specificity and cell-specific fitness of CRISPR-Cas System using attention boosted deep learning and network-based gene feature. Liu Q, He D, Xie L. PLoS Comput Biol. 2019-10-28
  • ニューヨーク州立大学の研究チームが深層学習の手法 (attention boosted deep learning)に、遺伝子の細胞型に特異的な機能の知識ベースを融合することで、Cas9とCas12aを対象とするオフターゲット編集予測AttnToMismatch_CNNモデル と細胞型ごとのオンターゲット編集活性予測モデルAttnToCrispr_CNNモデルを開発し、DeepCrisprやDeepCpf1など既存のモデルに優ることを示した。
6. [特許公開] US 2019322993 A1 Thermostable Cas9 Nucleases.
  • 公開日 2019-20-24;発明者 Van Der OS, Van Kranenburg R, Bosma EF, Mougiakos I, Mohanraju P. ;権利者 Wageningen Universiteit, Stiching Voor De Technische Wetenschappen (Ultrecht)
  • 好熱菌Geobacillus thermodenitrificans T12のタイプIICシステムのエフェクターにより、 20° ~ 100° Cの温度域でのゲノム編集を実現
  • [論文紹介crisp_bio記事]CRISPRメモ_2017/11/24-2 [第3項] ThermoCas9:熱安定なCas9の同定と特性
7. [化学療法耐性機構の個人差] Integrated Chromatin and Transcriptomic Profiling of Patient-Derived Colon Cancer Organoids Identifies Personalized Drug Targets to Overcome Oxaliplatin Resistance. Tung KL, Chen KY, Negrete M  [..] Shen X. Genes & Diseases. 2019-10-29
  • コーネル大学とデューク大学の研究グループが、患者由来の大腸癌オルガノイドにおいて、ATAC-seqとRNA-seqから、クロマチンアクセシビリティを有意に増し、遺伝子発現を亢進する一連の遺伝子群を同定した。
  • その中で、線維芽細胞増殖因子受容体1 (FGFR1)とオキシトシン受容体 (OXTR)をサイレンシングすると、オキサリプラチン耐性の抑制が可能であり、また、オキサリプラチンにFGFR1阻害剤 (PD166866)またはOXTRのアンタゴニスト (L-368,899)を併用することでも、オキサリプラチン耐性オルガノイドを抑制することを見出した。
  • 一方で、他の患者由来のオキサリプラチン耐性オルガノイドには、FGFR1の発現亢進もOXTRの発現亢進も見られず、オキシプラチン耐性を抑制する標的足り得ないことも見出した。