(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2017/01/01

  • Corresponding author: Salvador Aznar Benitah (Inst. Research in Biomedicine, BIST)
  • 癌の転移を標的とする抗転移療法に進展が見られない。ほとんどのヒト癌において、転移を開始する(metastasis-initiating)細胞を特定できていないことが一因である。Benitahらバルセロナの研究チームは今回、CD36タンパク質が転移能を有する癌細胞のマーカであることを見出した。
    • 親油性蛍光色素DiDでラベルしたヒト口腔癌由来細胞をNSGマウスの口腔へ同所移植した中で、ラベルを保持し(label-retaining cell: LRC)細胞分裂が遅く(slow cycling cell)、脂肪酸受容体CD36と脂質代謝遺伝子を高発現し、転移開始能を有するCD44bright細胞のサブポプレーションが存在することを見出した。
    • パルミチン酸または高脂肪食は、CD36+転移開始細胞の転移能を特異的に亢進した。
    • CD36を阻害する中和抗体は、ヒト口腔癌の同所移植免疫不全または免疫応答性モデルマウスにおける転移を、副作用を伴ううことなく、ほぼ完全に阻害した。
    • 口腔癌の他に、ヒトのメラノーマと乳癌についてもCD36阻害が転移を抑制した。