[出典] Synthetic chimeric nucleases function for efficient genome editing. Liu RM [..] Gill RT. Nat Commun. 2019-12-04
 University of Colorado, National Renewable Energy Laboratory (US)、Danish Technical Universityに、Cas12a近縁とされるMAD7 [1]を開発したInscriptaが加わった研究グループは、Cas12a-type [*]のヌクレアーゼの中で最も活性なMAD7 をテンプレートとして、8種類のCas12a-typeからのドメインを部品とし、Cas12aのモジュール構造を利用してCas12a上の6箇所のうち1ヶ所または2ヶ所で組み替えることで、Cas12a-typeの合成Cas12aを560種類構築し、十分な活性を示す合成キメラCas12aを同定し、詳細に評価した (左下図にSupplementary Fig. 1から引用したキメラ・ライブラリー構築のモデル図;右下図にFig. 1から引用したAsCas12aの立体構造 (a)とドメイン構造 (c)、ならびに、9種類のCas12a-typeの活性 (b)と合成キメラCas12aのパターンと活性(d)を表示)
Supple 1 Fig. 1
[*] 著者らは、CRISPR-Casシステムの分類体系の変遷を考慮して、Cas12aオーロソグではなく、Cas12a-typeという表記を採用した。
 ライブラリーの中でいくつかのCas12a-typeについて、PAM配列 [2]が多様化され、E. coli in vitro/in vivoでの評価でオンターゲット活性を維持したままオフターゲット活性が抑制され、酵母とヒト細胞株において活性を示すことを同定した。

[参考crisp_bio記事]
  1. CRISPRメモ_2019/05/27 [第1項] Cas12a近縁Mad7により、ゼブラフィッシュとヒト細胞株のCRISPRツールボックスを拡充
  2. 2017-06-10 CRISPR Cpf1で標的可能なゲノム領域を3倍に拡張