(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2017/01/02

  • Corresponding author: Yao Cong (Shanghai Inst. Biological Sciences)
  • TRiC (TCP-1 Ring Complex/CCT(chaperonin containing TCP-1))タンパク質は、8種類のサブユニットが形成するリングが2重に重なった形状(参考図参照)をとり、新生細胞質タンパク質の10%のフォールディングを助ける真核生物のシャペロニンである。43800001
    Congらは今回、クライオ電顕単粒子再構成法によって、Saccharomyces cerevisiae のTRiCがヌクレオチドが部分的に組み込まれた(nucleotide partially preloaded: NPP)開口状態(open state)と、ATPが結合した開口状態について、それぞれ4.7 Åと4.6 Åの分解能で再構成した。
    • 複合体の外側にeGFPタグが現れるようなタグ付けによって開口状態における全サブユニットの位置決めを実現した。2重のリングからのCCT2サブユニットのペアが、想定外の、Z型をとっていた(参考図左図)。
    • ATP結合によって、CCT2側に劇的なコンフォメーション変化が誘導され、TRiC複合体にアロステリックな協働現象が存在することが示唆された。
    • TRiC複合体のCCT2側の5つのサブユニットが早期にATPと結合を開始し、CCT6側の3つのサブユニット(CCT3; CCT6; CCT8)がその後ATPに結合し、この2段階のATP結合が、複雑なマルチドメインタンパク質のフォールディングにエネルギー的に有利であると考えられた。