1. Cas12aによって、マイクロホモロジー媒介末端結合を介して、効率的で精密な遺伝子タギングを実現
[出典] Cas12a mediates efficient and precise endogenous gene tagging via MITI: microhomology-dependent targeted integrations. Li P [..] Du X, Wu S. Cell Mol Life Sci. 2019-12-17
 中国農業大学と上海生命科学研究院の研究グループは今回、表題にある「マイクロホモロジーに依存したMITI (MIcrohomology-dependent Targeted Integrations)を開発し、Cas9 HITI法よりも高精度であることを示した。
[MMEJ関連crisp_bio記事]
2. ゲノムスケールのCRISPR/Cas9ノックアウトスクリーニングから、SH3D21が、ゲムシタビンに対する感受性を高めることを同定
[出典] A genome-scale CRISPR/Cas9 knockout screening reveals SH3D21 as a sensitizer for gemcitabine. Masoudi M [..] Aburatani H. Sci Rep. 2019-12-16
 東大の研究グループが、膵臓癌細胞株Panc1におけるスクリーニングを介して表題を明らかにし、また、膵臓癌細胞の必須遺伝子セット (MYCパスウエイ)も同定した。また、ゲムシタビンがエンドサイトーシスを介して細胞に取り込まれることも同定した。
  • [関連crisp_bio記事] CRISPRメモ_2019/12/07 - 2 [第6項] 胆嚢癌のゲムシタビンに対する感受性を決定する因子をゲノムワイドCRISPR/Cas9機能喪失スクリーンにより同定
3. CAR-T細胞の細胞障害性必須パスウエイを低分子プロファイリングとCRISPRスクリーニングで同定
[出典] Integrated drug profiling and CRISPR screening identify essential pathways for CAR T cell cytotoxicity. Dufva O [..]  Mustjoki S. Blood. 2019-12-12
 フィンランドとオーストリアの研究グループの報告:低分子プロファイリングから、CAR-T細胞の細胞障害性を阻害するチロシンキナーゼ阻害剤を同定した一方で、アポトーシス阻害因子の一種であるSMACミメティクスがB-ALLとDLBCL細胞の抗-CD19 CAR-T細胞に対する感受性を亢進することを同定;CRISPRスクリーニングから、FADDとTNFRSF10B (TRAIL-R2)を介したデスレセプターのシグナル伝達がCAR-T細胞の細胞障害性に必須であり、SMACミメティクスの効果がRIPK1イタを介して発揮されることを同定。

4. BE (Base Editing)の標的可能範囲を広げ効率を上げるProxy-BE法
[出典] Increasing the targeting scope and efficiency of base editing with Proxy‐BE strategy. Liu Y [..] Wei Y. FEBS Letters. 2019-12-14.  
 武漢大学、上海科技大学などの中国研究グループは、SpdCas9を、オリジナルBEで標的するサイトから20-30 bp離れたサイトに結合させることで、SaKKH-BE3とdCpf1-BEの編集効率を倍増させることに成功した。

5. ALS/FTD患者に見られる6 塩基反復配列異常伸長をCRISPR/Cas9 HDRを介して修復
[出典] Correction of amyotrophic lateral sclerosis related phenotypes in induced pluripotent stem cell-derived motor neurons carrying a hexanucleotide expansion mutation in C9orf72 by CRISPR/Cas9 genome editing using homology-directed repair.  Ababneh N, Scaber J [..] Cowley SA, Talbot K. bioRxiv. 2019-12-20
 University of Oxfordと University of Jordanの研究グループは今回、6 塩基反復配列の異常伸長が起きたC9orf72を帯びたALS/FTD患者由来のiPSCsにおいて、CRISPR/Cas9 HDRを介して、野生型の反復配列への置換を介して、変異を修復し、iPSCsから誘導した運動ニューロンの表現型が正常になることを示した。

6. 自然環境でバクテリアとファージが共存するのは、CRISPR-Casの獲得免疫応答が一時的なためである
[出典] Transient CRISPR immunity leads to coexistence with phages. Meaden S [..] Westra ER. bioRxiv. 2019-12-19
 University of Exeterを主とする英国とニュージーランドの研究グループは、Pseudomonas aeruginosa PA14が、DMS3virファージを繰り返し感染させた場合に、CRISPR-Casシステムを介したファージに対する免疫能を失い、ファージと共存する現象を見出し、CRISPR-Casシステムの免疫応答は一時的な現象であるとした。