[出典] Principles for rational Cas13d guide design. Wessels HH, Méndez-Mancilla A [..] Sanjana, NE. bioRxiv. 2019-12-28

 New York Genome Center/New York Universityの研究グループは、はじめに、3種類のCas13タンパク質 (PguCas13b, PspCas13b, RfxCas13d)によるGFP mRNAノックダウンの効率を評価し、ノックダウン効率が最も高かったRfxCas13d (CasRx) [1]を対象にしたgRNAsの最適化モデルを開発し、ヒト細胞内在の細胞表面タンパク質3種類(CD46, CD55およびCD71)での検証実験を行った。
  • 不安定化GFP (destabilized GFP [2])と内在するヒト細胞表面タンパク質3種類 の遺伝子からの転写物 (mRNA)を対象とするのべ24,460種類のgRNAsによるノックダウン・スクリーンを行った。このgRNAsライブラリは、標的と完全一致する6,469種類のgRNAsと標的配列に対するミスマッチを帯びたgRNAsおよびコントロール用のgRNAで構成した。
  • 各gRNAのノックダウン効率は、crRNAの特徴と標的サイトのコンテクストに応じて変動した:1 塩基ミスマッチはおおむね一定のノックダウンをもたらすが、スペーサ (crRNA)の15-21 ntの領域における1塩基ミスマッチはノックダウンを阻害し、この領域を'seed'領域と称した。構造情報を参照することで、seed領域の中央 (ポジション18)におけるミスマッチが、Cas13dのHEPNドメインの活性を阻害することが示唆された。
  • また、標的部位がUリッチな領域のミスマッチはノックダウン効率を大きく低減したが、GCリッチな領域のミスマッチの影響は小さかった;標的領域と完全一致するgRNAの活性が、crRNAの二次構造とその自由エネルギーと相関することも見出した。
  • こうして、ノックダウン効率と相関するcrRNAと標的DNAの特徴15項目を選択し、ランダムフォレストに基づく機械学習により、標的ノックダウン効率を予測可能とするモデルを構築し、CasRxによるmRNAノックダウンを介した必須遺伝子同定も実現した。
[参考記事と文献]
  1. CasRx : 2018-03-17 これまでで最小かつヒト細胞で活性なCas13dの同定と解析2報(Salk研;Arbor Biotechnologies/NCBI)
  2. Generation of destabilized green fluorescent protein as a transcription reporter. Li X, Zhao X, Fang Y, Jiang X, Duong T, Fan C, Huang CC, Kain SR. J Biol Chem. 1998 Dec 25;273(52):34970-5.
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