[出典] CRISPR-mediated gene correction links the ATP7A M1311V mutations with amyotrophic lateral sclerosis pathogenesis in one individual. Yun Y, Hong SA [..] Bae S, Ha Y. Commun Biol. 2020-01-20

 延世大学校、漢陽大学校などの韓国にEmory Universityなどの米国が加わった研究グループが、男性ALS患者1名と健常な両親のWGSを比較し、ALS関連遺伝子群を同定し、その中で、X連鎖遺伝子のATP7AにおけるM1311V変異をALSの責任変異候補と判定した [病因変異のフィルタリングの戦略については、原論文Fig. 1引用下図参照]。ALS
  • The Genome Aggregation Database (gnomAD/ノマド)によると、この変異はアシュケナージ系ユダヤ人の間ではありふれた (popular)変異である。
  • 研究グループは、はじめに、患者の線維芽細胞からATP7AにおけるM1311V変異を帯びたiPSC細胞を樹立した。次に、CRISPR-Cas9と変異を帯びていないssODNのドナーDNAを導入することで、相同組み換え修復 (HDR)を介して変異の修復を試みた。
  • バルクのiPSCからの修復効率は0.4%であったが、変異修正が実現したiPSC株 (以下、修正iPSC)を2種類樹立することに成功した。
  • その上で、変異iPSCsと修正iPSCsを神経前駆細胞から運動ニューロンへと分化させながら比較解析し、変異修正によって、神経前駆細胞の段階で病態生理に改善が見られ、さらに、運動ニューロンの活性と機能を劇的に修復することを確認した。