[出典] "A serological assay to detect SARS-CoV-2 seroconversion in human" Amanat F [..] Krammer F. medRxiv 2020-03-18. [査読なし投稿: medRxivbiRxivへの投稿件数 616件/2020-03-20]

 COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2の感染は、これまでPCR検査で判定されてきた。米国Icahn School of Medicine at Mount Sinaiを始めとする国際共同研究は今回、武漢で分離されたSARS-CoV-2のスパイク糖タンパク質由来の配列データをもとに、組換え抗原を合成することで、ヒトの血清/血漿からSARS-CoV-2に対する抗体を検出する同定可能とするELISA法を確立した。この検出はSARS-CoV-2に特異的であり、他のヒト・コロナウイルスにも反応しなかった。
  • 血清検査によって、COVID-19患者において、症状が現れてから3日でCOVID19のセロコンバージョンが起こる事例を確認した。すなわち、感染後にウイルスが増幅していく過程で、ヒトの免疫応答に由来する抗体によってウイルス量が検出限界以下まで低減する現象が比較的早期に起こる事例を確認した。
  • 血清検査は感染初期のウイルス感染判定には向いていないが、COVID-19から回復しウイルス量が検出限界以下まで減少したとしても、感染履歴およびSARS-CoV-2に対する抗体を帯びているか否かを判定可能になる。
  • 血清検査によって、SARS-CoV-2への免疫応答の動態と地域における感染の拡がり方の定量的な解析が可能になり、また、回復期血清療法に貢献できるに十分な抗体を帯びている個人や、SARS-CoV-2に対する免疫を獲得し二次感染ひいては感染を広げるリスクが低い医療従事者を判定可能になる。
  • 中国では回復期血清療法の臨床試験 (NCT04264858)が進んでおり、米国では回復期血清の準備が始まっている。
  • ELISAによるこの血清検査は、また、検体採取に伴うリスクがPCR検査よりも圧倒的に低く、また、レベル2で実行可能であり、BSL3レベルを必要とするウイルス中和試験よりも簡便かつ迅速である。
  • 今後、プロトコルを公開し試薬も提供していく。
関連crisp_bio記事
  • 2020-03-14 新型コロナウイルス:SARS-CoV-2の感染を阻害し中和するヒト・モノクローナル抗体を作出
  • 2020-03-14 新型コロナウイルス:血清療法で凌ぎつつ、抗体とワクチンを待つ