2020-05-04 Nature論文書誌情報を追記し、bioRixv投稿に準拠したテキストを一部修正・追加し、タイトルも変更 (テキスト内の図は、bioRxiv投稿からCC-BY 4.0で引用)
2020-03-25 初稿
[出典] "A SARS-CoV-2-Human Protein-Protein Interaction Map Reveals Drug Targets and Potential Drug-Repurposin" bioRxiv 2020-03-23. > "A SARS-CoV-2 protein interaction map reveals targets for drug repurposing" Nature 2020-04-30 (Accelerated Article Preview Published online)

 QBI COVID-19 Research Group (QCRG)など米国機関にEBIとInstitut Pasteurが加わった~100名規模の研究グループの報告
  • ヒト細胞に見られる29種類のうち26種類のウイルスタンパク質をクローニング、標識、そして発現させ、AP-MS アフィニティー精製質量分析 ( affinity purification mass spectrometry, AP-MS)によって、物理的に直接相互作用しているヒトタンパク質を同定した。
  • 続いて、SARS-CoV-2のタンパク質とヒトのタンパク質の間の信頼性が高い相互作用 (protein-protein interactions, PPIs) 332種類を同定した。
  • Gene Onotology (GO)エンリッチメント解析から、ウイルスタンパク質が、リポタンパク質代謝 (S)、細胞核移行 (Nsp7)、およびリボ核タンパク質複合体生合成 (Nsp8)を含む主要な細胞過程に関与することが見えてきた。また、先行論文 (Mol Syst Biol, 2019)を参照することで、ウイルスタンパク質と相互作用するヒトタンパク質は、他の組織に対して肺で高発現していることを見出した。
  • [crisp_bio注] SARS-CoV-2のゲノム構造とPPIsマップ作成のワークフローを、Figure 1の a と d から引用して左下図に、SARS-CoV-2のタンパク質の一覧をFigure 1の b から引用した右下図に、挿入した: 
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  • 今回のPPIマップから、前述したGOエンリッチメント解析結果以外にも、細胞内膜系との相互作用、ERとミトコンドリアへの輸送、自然免疫系、宿主翻訳装置、ユビキチンリガーゼ、ブロモドメインタンパク質など、多様な細胞過程とヒトタンパク質に関与・結合するウイルスタンパク質も見えてきた。
  • 加えて、PPIマップから、69種類の化合物*の標的になり得る (druggable)ヒトタンパク質 (宿主因子) 66種類同定した [* FDA承認薬 29種類; 治験薬 12種類; 前臨床試験中化合物 28種類]。宿主因子を標的とする薬物は、変異しやすいウイルスタンパク質を標的とする薬物よりも、長期間にわたり抗ウイルス活性を維持することを期待できる。
  • 候補低分子については、研究グループにおいて、SARS-CoV-2感染アッセイでその効能の評価を進めている。一部の化合物については複数のアッセイ法で抗ウイルス活性を評価し、2種類のクラスを同定した: mRNA翻訳阻害; Sigma1とSigma2受容体の調節因子阻害。
[crisp_bio注] bioRixv投稿とNature論文のアブストラクト比較2020-05-04 8.00.38