1. メタゲノムからcas1遺伝子を直接再構成し、2009-16年の間の土壌微生物相の変化と土壌の温暖化との相関を解析
[出典] "Targeted assemblies of cas1 suggest CRISPR-Cas’s response to soil warming" Wu R [..] Tiedje JM. ISME J. 2020-03-27
  • 香港大学、ミシガン州立大学、オクラホマ大学などの研究グループは、環境微生物の解析にあたって、公開データベースに収録されているcas遺伝子にはまだまだ偏りがあるとして、CRISPR-Casエコロジーのマーカとして有用なcas1遺伝子の配列を直接メタゲノムデータから再構成するパイプラインを、cas1のHMMモデルの構築にメタゲノムからの標的遺伝子をアセンブルするXanderを介して、確立した [Fig.1引用下図参照]。cas1-1
  • その上で、中央オクラホマの背の高いイネ科植物が拡がっている草原に由来する48種類のメタゲノムから、cas1遺伝子3,394配列を再構成した。この中でには、de novoアッセンブリーから得られる結果の5倍以上に相当する88件のほぼ完全な遺伝子配列が含まれていた。
  • このcas1配列のデータから、8年間にわたる土壌の温度上昇にともなって土壌マイクロバイオーム全体としてcas1が拡がり、温度上昇に伴って微生物量が減少した系統群においてもcas1が拡がってきたことが見えてきた [Fig.6引用下図参照]。cas1-6
    これは、土壌温度上昇とともに、ウイルスと宿主微生物の間の相互作用が亢進したことを示唆する。
2. バイテクに有用な酵母であるYarrowia lipolyticaにおける遺伝子のノックアウトと発現調節を同時に制御可能とするCRISPR-Cpf1システム
[出典] "Guide RNA engineering enables dual purpose CRISPR-Cpf1 for simultaneous gene editing and gene regulation in Yarrowia lipolytica" Ramesh A [..] Wheeldon I. ACS Synth Biol 2020-03-25
  • CRISPR-Cpf1システムに23-25 bpの長さのgRNAsを組み合わせて、高効率のノックアウトが実現する。一方で、gRNAの長さを16-ntまで短縮することで、ヌクレアーゼ活性を阻害しつつ標的遺伝子座への結合は維持されることから、同一のCpf1を共用して、CRISPRa/iとして利用可能である (Cpf1-Mxi1によりmRNA発現の7分の1; Cpf1-VPRによるGFP発現10倍)。
3.  Wx遺伝子座のCRISPR/Cas9遺伝子編集により、通常のハイブリッド・トウモロコシをワキシー・トウモロコシに変換
[出典] "Conversion of a normal maize hybrid into a waxy version using in vivo CRISPR/Cas9 targeted mutation activity" Qi X [..] Liu C, Cheng B. Crop J 2020-03-23.
  • 安徽農業大学と中国科学院作物科学研究所の報告
4. [レビュー] CRISPR/Cas9ゲノム編集イネ:持続可能な農業に向けて
[出典] "CRISPR/Cas9-Edited Rice: A New Frontier for Sustainable Agriculture" Mehta S. et al. In:  New Frontiers in Stress Management for Durable Agriculture 2020-03-24.
  • ニューデリーの International Centre for Genetic Engineering and BiotechnologyとICAR-Indian Agriculture Research Instituteを主とする研究グループが、CRISPR/Cas9による農業形質の改変、ストレス寛容/耐性および栄養成分強化への応用をハイライトし、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術のツール、データベース、および、サービス・プロバイダーを概観
5. [解説] 病原性原虫のゲノム編集法 (In Trypanosomatids: Methods Mol Biol 2020-03-28)