[出典] "Combinatorial single-cell CRISPR screens by direct guide RNA capture and targeted sequencing" Replogle JM [..] Weissman JS, Adamson B. Nat Biotechnol 2020-03-30.  < bioRxiv 2018-12-21 "Direct capture of CRISPR guides enables scalable, multiplexed, and multi-omic Perturb-seq" 

 Perturb-seq (Wikipedia)を開発したUCSFを主とする研究グループは今回、Perturb-seqに伴う課題を解決した ‘direct-capture Perturb-seq’を開発・報告した。
  • 研究グループは、Perturb-seqを含むCRISP-seq, Mosaic-seq, CROP-seqなど、プール型CRISPRスクリーンにおいて、シングルセルRNA-seq (scRNAs-seq)による遺伝子発現プロファイル (トランスクリプトミクス)を読み出しとする手法を"single-cell CRISPR screening"と呼び (以下、scCRISPRsc)、scCRISPRscによって偏りのない遺伝子機能解析と遺伝子調節ネットワークの体系的解析が可能になったとした。
  • その上で、scCRISPRscに残されていた課題 (限られたスケーラビリティー、特定のベクターシステムへの依存、高コスト)を解決し、単一遺伝子を標的とするsgRNAsおよび一連の多重遺伝子を標的とするsgRNAsを利用したスクリーニング結果を、シングルセル・レベルで簡易に解析可能とするスケーラブルな新手法を ‘direct-capture Perturb-seq’として報告した。
  • [crisp_bio] 新技術の概要はbioRxiv版に準拠した CRISPRメモ_2018/12/24 「#1 Perturb-seqのバージョンア」参照; なお、タイトル、アブストラクト以下、Nature Biotechnology版はbioRxiv版から大幅に改訂されていますので、技術の詳細については原著論文にてご確認下さい。
  • 研究グループは特に、‘direct-capture Perturb-seq’においてsgRNAsペアを利用することで、遺伝子機能の冗長性や遺伝的代償、シスエレメントの機能、あるい遺伝子間相互作用を対象とする研究が促進されるとした。
  • 実証実験として、‘direct-capture Perturb-seq’によってコレステロール生合成とDNA修復の間のエピスタティックな相互作用の解析が可能なことを示した。また、個々の遺伝子を多重なsgRNAsで標的することで、CRISPRi/aの効率が向上することを同定した。さらに、ハイブリダイゼーションをもとにした標的エンリッチメント法を新たに組み合わせることでハウスキーピング遺伝子群のシーケンシングを回避し、低コストで免疫、発生、代謝、腫瘍抑制/促進に関わる遺伝子パネルの機能解析が可能なことも示した。