[出典] "Large scale active-learning-guided exploration for in vitro protein production optimizationBorkowski O, Koch M [..] Faulon JL.  (bioRxiv 2019-08-30) Nat Commun 2020-04-20

 トランスクリプトミクスやプロテオミクスなどの基礎研究から、遺伝子回路の開発までのプラットフォームとして、ライセートに基づいた無細胞系システムが主流になってきた。しかし、バッチ間の変動が大きいことから、研究室間での無細胞系システムおよびそのデータの共有が進まなかった。

 Univ Evry, Université Paris-Saclay, Institut Pasteur, University of Manchesterなどの研究グループは今回、
GFPをモデルタンパク質として、バッファーの組成条件、11種類の化合物とその濃度4レベルの全ての組合せからなる4,194,304通りについて、ロボットを介した操作によって、タンパク質発現データを集積し、その膨大なデータをもとにして、AIの一手法としてのアクティブラーニング [Fig. 2 参照]によりモデルを構築し、タンパク質産生の高精度な予測を可能とし、初期条件のバッファーに対して、34倍のタンパク質産生を実現するバッファーに到達した。

 さらに、機械学習のモデルの教育と高精度な予測が可能にする情報量が豊富なバッファー組成20種類を同定するに至った。

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