[出典] "RIC-seq for global in situ profiling of RNA–RNA spatial interactions" Cai Z, Cao C, Ji L [..] Xue Y. Nature 2020-05-06

 二次/三次構造をとるRNA分子は分子間相互作用に加えて、多様なRNA結合タンパク質 (RBP)とも相互作用することで、生物にとって重要な過程を制御する。中国科学院生物物理研究所に河南師範大学と信陽師範学院が加わった研究グループは今回、RBPを介した近接ライゲーションアッセイ (proximity ligation assay, PLA)とディープシーケンシングを組合せたRIC-seq (RNA in situ conformation sequencing)技術を開発し、標題を実現した [実験法についてFig. 1参照]。
  • それぞれ170 M (million)と155 MのrRNAプラス鎖とrRNAマイナス鎖断片を得て、その中の~16%と9%がキメラを形成することを見出した。各キメラが、2種類のRNA断片の相互作用に相当する。
  • RIC-seqにより、既報のRNA二次構造と三次元 (3D)相互作用を捉え、HeLa細胞内でのRNA相互作用の3Dマップを構築するに至った。
  • この3D相互作用マップから、ncRNAs, snoRNAsならびにエンハンサーから転写されるenhancer RNA (eRNA)を含むノンコーディングRNAsの標的を偏り無く同定し、RNAトポロジカル・ドメインと、トランス相互作用を担うハブを識別した。
  • また、RNAsのペアワイズの相互作用に基づいて、エンハンサーとプロモーターの機能的結びつきを明らかにすることに成功した。
  • スーパーエンハンサーのハブの一種であるCCAT1-5Lが、RBPの一種であるhnRNPKと物理的に相互作用すると共にMYCのプロモーターから転写されたRNAとeRNAにも結合することで、CCAT1-5LMYCおよびPVT1遺伝子座の間のクロマチン・ループ形成に寄与することを同定し [Fig. 4参照]、 MYCの転写を亢進するに至る分子機序を想定した。すなわち、RIC-seqによって、RNAを介した転写調節を同定するに至った。
  • [CRISP_BIO注] CCAT1-5Lの機能解析には、CRISPR-Cas9によるCCAT1-5Lの部分的削除と、CRISPRiを介したCCAT1-5Lイタの転写抑制も利用された。