9. CRISPR-Casを利用し遺伝子発現ノイズを調節
[出典] "Orthogonal tuning of gene expression noise using CRISPR–Cas" Wu F, Shim J, Tan C. Nucleic Acids Res 2020-06-01
  • 外的要因と内的要因によって細胞間で遺伝子発現が時空間的に相違する現象 (遺伝子発現ノイズ)を制御することで、薬剤の効果や合成遺伝子回路の安定性を高めることができる。
  • これまで遺伝子発現ノイズの制御は、転写開始、mRNA分解およびmRNA翻訳を調節する侵襲的な手法によって行われてきた。
  • 研究グループは内在遺伝子を改変することなく、dCas9を介した遺伝子発現の促進と抑制を可能とするCRISPR activation and repression (CRISPRar)ツールを開発し、E. coliにおいてレポータ遺伝子の発現ノイズの制御を実現した。
  • CRISPRarは、2種類のsgRNAを認識する単一のdCas9をベースとし、遺伝子発現の促進と抑制の活性が異なるsgRNAsのライブラリーを組み合わせ、遺伝子発現のノイズまたは平均レベルをそれぞれ独立に制御可能である [Figure 1引用下図参照]。CRISPRar
  • また、発現ノイズ制御は、RNAポリメラーゼのプロモーターへの結合を調節する2種類のsgRNAsの競合に拠ることが示唆された。
10. Cas12a基づくDETECTR流プラットフォームにより、カルバペネム系抗生物質を分解する酵素、および、ウイルスの超高感度検出を実現 #CRISPRdx
[出典] "CRISPR-based platform for carbapenemases and emerging viruses detection using Cas12a (Cpf1) effector nuclease" Curti LA [..]  Gimenez CA. Emerg Microbes Infect 2020-06-02.
  • DNA (カルバペネマーゼ遺伝子KPC, NDM とOXA)、および、RNA (DNEV, ZIKVおよびHANTVウイルス・ゲノム)の迅速 (< 2時間) 超高感度 (アトモル濃度レベル)検出を実現;デングウイルス感染患者由来の臨床検体でも実証 (実験ワークフローについてFigure 1引用下図参照; DETECTR流のわかりやすい図解にもなっている)Cas12a
11. [レビュー] 鳥類ゲノム編集技術の進展と産学での応用
[出典] REVIEW "Current Approaches and Applications in Avian Genome Editing" Lee J, Kim DH, Lee K. Int J Mol Sci 2020-05-20
  • 1細胞期胚へのマイクロインジェクションの限界; CRISPR/Cas9の鶏始原生殖細胞 (primordial germ cell: PGC)への注入と、 アデノウイルスを介したウズラ胚盤葉への導入の事例
12. 植物を標的とする効率的な遺伝子ターゲッティング法iGT (in planta Gene Targeting)
[出典] "Enhancing in planta gene targeting efficiencies in Arabidopsis using temperature‐tolerant CRISPR/LbCas12a" Merker L, Schindele P, Huang TK, Wolter F, Puchta H. Plant Biotechnol J 2020-05-30
  • 卵細胞特異的Cas12a発現カセット、gRNA発現カセット、相同組換 (HR)ドナー配列およびカナマイシン耐性からなるT-DNAコンストラクトをフローラルディップ法でシロイヌナズナゲノムに導入し、標的遺伝子切断時に、コンストラクトからHRドナーも切り出される手法により、iGTを実現。
    また、CRISPRヌクレアーゼとして、SpCas9とSaCas9よりもCas12aがより効果的であり、さらに、Cas12a D156R変異体を利用することで、28℃での効率向上を実現した。