[出典] "Determinants of Base Editing Outcomes from Target Library Analysis and Machine Learning" Arbab M [..] Liu DR. Cell 2020-06-12

 標的塩基のトランジッション変異を誘導する塩基エディター (CBEsとABEs)は、短期間で、病因SNV変異の修復を始めとして基礎と応用を問わず利用されるに至った。一方で、バイスタンダー置換、DNA/RNAオフターゲット編集などの弱点が指摘されていた。D. R. Liuが率いる研究グループは今回、塩基ディターによる大規模な塩基置換実験を行い、そのデータに基づいて、CBEs/ABEsの編集結果と効率を高精度で予測する機械学習モデルBE-Hiveを開発公開した。
  • 3種類の哺乳類細胞 (mESC, HEK293T, U2OS)にて、sgRNAとその標的配列のペア38,538組をTol2トランスポゾンによりゲノムに組み込んだ上で、BE4maxとABEmaxをベースとする8種類の塩基ディターを発現するプラスミドを同じくTol2トランスポゾン導入し、その結果をPCR-HTSで解析した。続いて、その解析結果に基づいて、機械学習モデルBE-Hiveを構築した。
  • BE-Hiveは塩基エディターの活性 (効率)を予測するモデルとバイスタンダー編集を予測モデルで成り立っている。
  • BE-Hiveは、塩基編集がもたらしたジェノタイプ (R ≈ 0.89)と塩基編集の効率 (R ≈ 0.71)を精度よく予測し、疾患関連SNVsを90%以上の精度で修復することを可能にした。この中には、BE-Hiveが置換が進行しないと判定したバイスタンダー置換の対象になりうる塩基[*]を伴う675アレルが含まれていた [* 塩基エディターの対象ウインドウ内に位置している本来の標的以外のC (CBEの場合)またはA (ABEの場合]
  • 研究グループはまた、これまで予測不可能であったトランスバージョン置換 (C-to-GまたはC-to-A) を誘導する因子を同定した。この知見に基づいて、トランスバージョン置換むしろ利用することで、これまでCBEでは修復不可能であった174種類の病因性トランスバージョンSNVsを90%以上の精度で修復することに成功した。
  • さらに、BE-Hive開発の間に得られた知見に基づいて、変異を導入することで、塩基置換の可能性を広げる新奇CBE開発に至った。
  • BE-Hive Webサイト: http://www.crisprbehive.design/ (以下の画面キャプチャ参照)
2020-06-13 11.32.56








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