[出典] "Direct-seq: programmed gRNA scaffold for streamlined scRNA-seq in CRISPR screen" Song Q, Ni K, Kiu M  [..] Ma L. Genome Biol 2020-06-08

 浙江西湖高等研究院の研究グループが、gRNAのスキャフォールドにポリA鎖を挿入することで、他のプライマーを使用することなくgRNAを、内在mRNAと共にpoly(dT)プライマーにより直接に (directly)逆転写可能とすることを発想した。
  • gRNAの構造、遺伝子編集効率への影響、ポリA鎖結合タンパク質 (PABP)の干渉などを勘案・検証した結果、当初の30A (アデニン30個)に替えて、アデニン7個ごとにグアニン1個を連結する (ただし、先頭の配列はアデニンが8個続く)A/G混合のキャプチャ配列 (8A8Gと命名)をgRNAスキャフォールドのtail, tetraloopあるいはloop2に挿入し、いずれも、目的を達することを確認した [sgRNAの模式図下図参照]。
    sgRNA
  • この方式により、Cas9またはdCas9による編集の効率と精度に影響を与えることなく、CRISPR KOスクリーンおよびCRISPRaスクリーン結果を、scRNA-seqで効率的に解析することに成功した。なお、scRNA-seqとして、SMART-seqや10x Genomicsの3種類のプラットフォームのいずれも利用可能であった。