[出典] "Genome-wide CRISPR synthetic lethality screen identifies a role for the ADP-ribosyltransferase PARP14 in DNA replication dynamics controlled by ATR" Dhoonmoon A [..] Moldovan GL. Nucleic Acids Res 2020-06-15

 DNA損傷応答は、ゲノムの安定に保ち、複製ストレスを抑制し、発癌を抑止する重要な機構である。 複製ストレスに応じて細胞周期の進行を調節するATR-CHK1パスウエイは、このDNA損傷応答に必須である。 PARP14は、転写、シグナル伝達およびDNA修復において多様な機能を担っているADPリボシルトランスフェラーゼである。

  Pennsylvania State University College of Medicineの研究グループは先行研究で、PARP14が、RAD51リコンビナーゼを介して相同組換修復 (HR)を促進し、複製ストレスを緩和することを見出し、遺伝毒性抗癌剤に対する癌細胞の感受性に影響することを示唆していた (Nucleic Acids Res 2015)。

PARP14 研究グループは今回、PARP14欠損細胞を対象とするゲノムワイドCRISPR機能喪失 (KO)スクリーン [Figure 1引用右図参照]により、PARP14と合成致死の関係にある遺伝子同定を試みた。その結果、ATR-CHK1パスウエイがPARP14欠損細胞の生存に必須のパスウエイであることを同定し、また、癌細胞におけるPARP14遺伝子の状態が、ATR-CHK1パスウエイを含むDNA損傷修復過程を阻害する抗癌剤に対する癌細胞の感受性を左右するとした。